映像授業は高校受験に効果的?映像授業のメリットやデメリットを解説

今高校受験を控え、その受験勉強に関して悩んでいる方の中には、すでに映像授業を経験している方も多いかと思います。

新型コロナウイルスの感染が社会問題となり、学校に通うことができず、先生の授業をPCやタブレットで受講した経験があるという方もいらっしゃるかと思います。

映像授業はこうした緊急事態だけで活用されるものではありません。今後の勉強の中でも映像授業で学ぶという機会は増えてくるかと思います。

そこでこの記事では映像授業は高校受験の勉強でも活用できるのか?そのメリットやデメリットは?など、高校受験と映像受験に関してまとめていきたいと思います。

近年増加傾向にある映像授業とは?

2020年、世界的に蔓延した新型コロナウイルス。日本国内にも多くの感染者が出た関係で、生活のさまざまなところに変化が見られました。そのひとつが映像授業でしょう。

学校や予備校などの授業を映像として撮影し、生徒たちはその映像を見て勉強をするというものです。

学校の映像授業の場合、教師のいる学校の教室と生徒の自宅にあるPCやタブレットをリアルタイムで繋ぎ、ライブ授業という形で実施することも多かったと思います。これも映像授業といえます。

きっかけは新型コロナウイルスの感染拡大防止というネガティブなものでしたが、その反面、通信環境さえ揃っていれば、多くの方が映像授業を受けることができるということも証明されました。

今後、通信環境の整備は進みます。これから勉強をするというシーンにおいて、この映像授業という勉強方法の存在感はより大きくなることが予想されます。

映像授業の種類

映像授業と一言でいっても大きく分けると2つのタイプがあります。

ひとつは教える側と教わる側をオンラインで繋ぎ、リアルタイムで授業を受けるライブ授業。
もうひとつは授業を事前に録画し、その録画データを見て学ぶという録画授業です。

それぞれの違いやメリット・デメリットに関して解説していきましょう。

ライブ授業

ライブ授業は文字通り、講師や教師が授業を行っている様子をリアルタイムで受信し授業を受ける方法です。

ライブ授業のメリットは、何より教師とオンラインで繋がっているという点です。普通に学校で授業を受けているときと同様に、分からない点があれば教師に直接質問ができますし、反対に教師から生徒に問題を出して答えてもらうといったことも可能になります。

勉強をする中で問題となるのは、自分が理解できなかったポイントをどう解決するかという点。自宅で自力で、教科書のみを頼りに解決するのは簡単なことではありません。数学や物理のように細かな知識を積み重ねて解答を導き出すような教科の場合、序盤に理解が難しいポイントに出くわしてしまうと、まず解答に辿り着きません。

こうした問題点を解決できるのがライブ授業のメリットです。

反面デメリットもあります。それが通信面での問題。通信環境によってはタイムラグが発生しますし、そもそも通信環境の悪い場所で授業を受けていると、通信切断のせいで授業が中断してしまうことも。

環境によっては授業を円滑に受けることができなくなる。これがライブ授業のデメリットとなります。

録画配信

録画配信の授業は、事前に教師が行った授業を撮影し、その録画した動画で勉強をするという方法。

音声や映像が乱れたり、タイムラグが発生したり、授業中に通信が切断してしまうという危険性がなく、どんな通信環境の方でも均等で平等な授業が受けられるという大きなメリットがあります。

また録画された映像ですので、わからない部分があればその部分へ戻って何度も授業を受けることも可能。自宅で勉強するうえではより効果的に学べると考えられます。

デメリットはオンラインでつながっているわけではないという点。授業の中で分からない点があったとしても、教師に質問することができず、問題解決が難しくなるというケースも考えられます。

映像授業の受講環境

映像授業には受講環境による違いもあります。基本的に映像授業と聞くと、自宅のPCやタブレットで行うことを想像しがちですが、自宅以外で勉強をするという映像授業もあります。

そんな映像授業の受講環境に関しても説明しておきましょう。

通塾するタイプ

主に予備校や大手の塾が採り入れているのが通塾タイプの映像授業です。大手の予備校や塾といっても、雇っている講師の人数には限界があります。そこで行われるのが通塾タイプの映像授業です。

講師は都市部にある大きな校舎で多くの生徒を相手に授業を行います。その様子を予備校はカメラで撮影します。カメラで撮影した映像を、全国各地に設置したサテライト教室に送り、各地にいる生徒はそのサテライト教室で映像授業という形で受けるというもの。

こうすることで全国どこに住んでいても有名講師の授業を受けられるようにする。これが通塾タイプの映像授業の基本ケースです。

このほかにも、自宅にネット回線がない、あっても通信環境があまりよくないという生徒が安心して授業を受けられるように通塾させるタイプもあります。

通塾タイプの映像授業は、塾に通うための通塾時間が必要であったり、決まった曜日に塾に通う必要があるなどある程度のデメリットはありますが、日本全国どこに住んでいても、一定レベルの質の高い授業を、誰でも平等で受けられる映像授業であるといえます。

自宅学習タイプ

一方、映像授業を自宅で受講するという方法もあります。ライブ授業を受けるのであれば、通信環境の整備が必要ですが、録画授業であれば通信環境がなくてもPCやタブレットでも受講できますので、より自由に勉強できます。

通塾タイプの映像授業とは違い、通塾時間が不要ですので、より多くの勉強時間を確保できます。また、塾に通う曜日や時間も決められていませんので、マイペースで映像授業が受けられるというメリットもあります。

さらに映像授業を受講するのは自宅に限ることもありません。場合によってはお気に入りのカフェで受講してもいいですし、周囲への音漏れ対策をしっかり行えば、図書館のような場所でも受講可能。

自分の好きな場所で、好きなタイミングで勉強できるのが大きなメリットですが、デメリットもあります。それはライブ授業ではない限り、こちらから質問をすることができないという点。

ライブ授業を自宅で受講する場合は、しっかりと通信環境を整える必要があります。

高校受験の勉強に映像授業を採り入れるメリット

ここまで映像授業の種類や受講の仕方などについて解説してきました。ではこの映像授業、高校受験の勉強でも効果を発揮するのかを考えていきましょう。

先に答えを書いてしまいますが、高校受験の勉強でも映像授業で学ぶメリットは大きいと思われます。そんなメリットをいくつか紹介していきましょう。

時間を気にせずマイペースで学べる

映像授業の中でも録画授業に関しては、何より時間と場所を気にせずマイペースで学ぶことができるという大きなメリットがあります。

高校受験を控える中学生の方にも、いろいろな予定があるかと思います。特に考えられるのは委員会活動や部活動といった、学校の授業の後に行われる活動です。

中学生にとって高校受験の勉強はもちろん大切ですが、同じくらい部活動なども大切なこと。高校受験のために部活動を辞めるなどというのはあまりおすすめできません。

しかし高校受験のために塾に通うとなると、場合によっては部活動を辞めなければいけないということも起こり得ます。そんな事態で力を発揮するのが映像授業です。

すでに録画された録画授業で学ぶのであれば自宅で学べますし、勉強する時間も自分で考えることができます。

高校受験の勉強は長丁場の戦いです。無理矢理勉強を詰め込めばどうしてもストレスも溜まってしまいます。勉強においてストレスは大敵。ストレスがある状態で勉強をしても勉強効率は上がりません。
マイペースで勉強することで、ストレスを感じず着実に実力をつけることができるでしょう。

周囲の環境を気にする必要がない

学校や塾で直接授業を受けるというのは確かに勉強をする上では効果的な方法です。しかし、それは教師と自分の関係のみの話。問題はその授業を多くの生徒が受講しているという点です。

周囲に仲の良い友人がいれば、どうしても友人のことが気になりますし、もし授業中に騒いでいる、ふざけている同級生がいれば、やはり気になってしまうはず。

つまり勉強に集中しにくい環境であるというのが学校などの授業のデメリットとなります。これに対し映像授業は基本的に一人で受講するため、周辺の環境に左右されることがありません。

しっかり勉強できる環境を整えておけば、同級生などに気を取られず、授業に集中して勉強することができるでしょう。

繰り返し視聴することができる

こちらは録画授業の大きなメリットですが、なんといっても同じ授業を繰り返し受講できるというメリットがあります。

対面式の普段の学校の授業は、同じ場所を何度も教えてくれるものではありません。生徒全員が理解しているかどうかをチェックすることもできませんので、教師はある程度決められたスピードで授業を進めていきます。

もしその中で理解できない、しにくい部分があった場合も、その点を解決できないまま授業は進んでいきます。こうしたことが起こりにくいのが録画授業です。

一度受講してもあまり理解できなければ、同じ録画授業をもう一度受けることができます。また、授業を一度止めて、自分で教科書などを調べて理解しながら続きを受講するといった学び方も可能。

対面式の授業以上に、効果的に活用することができるケースもあり、これがメリットとなります。

高校受験の勉強に映像授業を採り入れるデメリット

メリットがある事には当然ですがデメリットもあります。今度はそんなデメリットを紹介したいと思います。

もちろん、通信環境が整っていないと授業が受けられないというのは、ライブ授業に限っては大きなデメリットです。こうした通信環境面以外で考えられる、もっとも大きなデメリットを紹介しておきましょう。

勉強に対するモチベーションの管理が必要

映像授業は基本的に自分一人で受講します。自宅であろうと図書館であろうと、その授業を受けているのは自分一人であるということになります。

仮に通塾して映像授業を受ける場合も、基本的には自分専用に仕切られた中で授業を受けますので、勉強は一人で行うのが基本です。

こうした一人で勉強をするという行為は、もちろん勉強に集中しやすいという環境ではありますが、反面勉強に対するモチベーションを維持し続けるのが難しい環境でもあります。

勉強をするときに、周囲に一緒に授業を受ける同級生やライバルがいれば、自分も勉強しなければ置いて行かれてしまうという気持ちにもなり、勉強に対するモチベーションも維持しやすくなります。

一人で授業を受ける場合、勉強をするもしないもすべて自分次第。一度勉強に対するモチベーションが下がってしまうと、回復させるのが難しく、なかなか勉強が進まないということも考えられます。

高校受験の勉強に映像授業を採り入れる場合は、事前にモチベーション管理の方法も一緒に考えておくといいでしょう。

映像授業に向いている方は?

映像授業で勉強をするにはある程度コツがいります。逆に言えば、コツをすぐ掴める方にとっては、映像授業はとても効果の高い学習法であると言えます。

高校受験の勉強に映像授業を採り入れるのに向いているのはどんな方なのか、また、どんな環境にいる方に向いているのか、紹介していきましょう。

コツコツ地道に勉強することが得意

上記の通り、映像授業で勉強するかしないかは自分次第です。そんな状況でもしっかり勉強を続けていける方は、やはりコツコツ地道な作業をするのが得意な方ということになります。

高校受験の勉強に限らず、どんな勉強でも重要になるのが、少しずつでも毎日続けるということ。まとめて何時間も勉強して、翌日は勉強しないという方法よりも、毎日続けることが重要になります。

高校受験の勉強は基本的に楽しいものではありません。映像授業による勉強は、そんな勉強に対しても毎日継続できる根気や継続性をもった方におすすめとなります。

家の近所に最適な塾が見当たらない

高校受験の対策を行っている塾は、日本全国どこにでもあり、その数も少なくありません。特に都市部の住宅街ともなれば、いろいろな塾が近所にあり、その中で自分に合った塾を選択することができます。

しかし、地方部に住んでいる方はそういうわけにはいきません。自宅の近所に塾があったとしても、難関高校受験のための塾で自分にはハードルが高かったり、反対に毎日の授業をおさらいするような基礎的な授業しか行っていない塾でレベルの高い授業が受けられなかったりという問題があるかと思います。

自分の求めるレベルの勉強ができない塾に通っても、高校受験の勉強にプラスとなるとは思えません。むしろストレスを感じてしまえばマイナス効果になる可能性もあります。

こうした問題があるという方は映像授業に向いている、というより映像授業を受けることが最善の選択となります。映像授業の特徴は、日本全国どこにいても、どんな時間に勉強しても常に同じレベルの授業を受けられるという点。

自分に合わない塾に通うことを考えれば、より勉強効率を高めることができるでしょう。

部活動などに力を入れている

これは上でも少し紹介しましたが、部活動や委員会活動、また学校のクラブではなくても地元で習い事をしている方には映像授業が向いているでしょう。

もちろんおすすめするのは録画授業。録画授業であれば、時間や場所に関係なく授業を受けることができます。

高校受験のために塾通いが始まり、それまで一所懸命に頑張ってきた部活動や習い事を諦めるというのはおすすめできない選択。部活動も習い事も精一杯楽しみながら、そのうえで高校受験を目指してみるのはどうでしょうか。

もちろん部活動などをしながら勉強をするのは、時間の確保も大変になりますが、好きなこととやるべきことを両立する以上ある程度仕方ないこと。しっかり自分で時間管理を行い、どちらも諦めずに楽しみながら進めるようにしましょう。

高校受験に映像授業を採り入れる際の注意点

高校受験を目指し、映像授業も駆使して勉強をする場合、ぜひ注意していただきたい点がいくつかあります。まずは何より映像授業を受けたからといって必ず成績が上がるわけではないということ。

特に映像授業による勉強は、勉強する本人次第で効果が大きく分かれます。効果抜群で一気に成績が上がる方もいれば、なかなか成績アップに結びつかない方もいます。このことはしっかり把握しておきましょう。

さらに注意すべき点をいくつか紹介します。

自分が映像授業に向いているかを見極める

まず重要なのが、自分が映像授業で勉強することに向いているかどうか見極めること。向いていない方が映像授業で勉強してもその効果は限られます。

例えばそもそも勉強が嫌い、高校受験といっても勉強する気にならないという方は、映像授業で勉強しても大きな効果は期待できません。

映像授業はあくまでも自分から進んで学ぼうとする方に大きな結果をもたらす勉強方法。そうではないという方にはあまりおすすめできません。

勉強が嫌い、苦手、自分から進んでやる気にならないという方は、塾などに通って、無理矢理にでも勉強せざるを得ない環境で勉強をした方が効果が期待できます。

モチベーション維持の工夫を考えておく

映像授業で勉強を進める際の大きな問題点は、勉強に対するモチベーションをどのように維持するかです。モチベーションの高さは、そのまま勉強効率に直結しますので、しっかり管理する必要があります。

おすすめのモチベーション管理の方法の一例として、「勉強のスケジュールを立てて実行する」ことがあります。

毎月のスケジュール、毎週のスケジュール、毎日のスケジュールをしっかりと立て、そのスケジュールに沿って勉強をしてみましょう。毎日のスケジュールを消化したら、勉強時間が余っていてもその日の勉強は終了でいい、1週間の勉強スケジュールを金曜日までに消化できれば土日は趣味の時間にしていい、1か月のスケジュールをクリアしたら、何かしらご褒美を用意する。こうした決まりを作って勉強してみてはいかがでしょうか。

モチベーション管理に効果的なのは、こまめに達成感を感じること。達成感を感じるには、目標をクリアする必要があります。その目標を自分でしっかり設定して、かつクリアしていくことでモチベーションを管理しながら勉強を続けられるでしょう。

まとめ

高校受験に向けて勉強をするにはいろいろな勉強方法があります。中学生の皆さんでも、考え方ひとつ、勉強方法ひとつで、勉強の成果に大きな違いが出てくるでしょう。

大切なのは自分に合った勉強方法を見つけ、その方法でしっかり実力をつけていくこと。そう考えるとあらゆる勉強方法を選択肢として持っておくことが重要になります。その選択肢のひとつが映像授業ということになります。

今後、映像授業を受講する機会は増えていくことが予想されます。大学受験の勉強はもちろん、社会人になって資格取得を目指す場合などにも、映像授業を受講するという機会はあるでしょう。

好条件の勉強で、映像授業とはどういうものか、自分に合っているのかどうか、どのような利用法が効率的かなどを体験しておくことは、将来的にも非常に重要になるかもしれません。

ぜひ、高校受験の勉強方法のひとつとして、映像授業の受講も考えてみてください。

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