第1問 評論
2002年に発表された小林傳司の評論「科学コミュニケーション」の一部から出題された。設問数は昨年度と変わらず、本文に段落番号が振られ、最後の問6が二つに分かれているなど大部分は昨年度の形式が踏襲されたが、次の二点で違いが見られる。一つは昨年度新たに登場した「本文の趣旨に最も近い発言」を選ぶような問題は出題されず、 もう一つは、問6(ⅱ)では、昨年度のように文章の後半の段落の構成・展開に関して出題されたが、今年は文章全体の構成・展開に関して出題されたという点である。問題の難易度としては、本文のレベルも設問のレベルも昨年度に比べて上がったため、難化したと思われる。

第2問 小説
戦前に発表された野上弥生子の小説「秋の一日」の一部から出題された。設問数は昨年度と変わらなかったものの、昨年度は問2から問5までの内容理解の設問が、全て登場人物の心情把握に関係するものであったのに対し、今年度は1問だけであった点が特徴的である。問6は昨年度と同様、本文の文章表現について適切でないものを2つ選ぶ問題であった。本文と選択肢がともに平易であるため、取り組みやすい問題ではあったが、問5のように本文の広い範囲を把握しなければ解答できない問題もあり、手間取った受験生も多かっただろう。

第3問 古文
オーソドックスな王朝文化の物語文であった。昨年の説話と比べると、一見難しく思うかもしれないが、展開が王道だったので、内容が把握しやすく、平易な文章だった。設問も、本文のどこを根拠にすべきかわかりやすかった。和歌が2首あるが、修辞法を問うものではなかったので、状況と単語を正確に理解していれば、正答を導き出すのは容易である。古文は、他の大問(特に現代文)の兼ね合いで時間配分と精神状態が左右されるだろうが、基礎をしっかりと抑えている者が、焦らず正確に短時間で解答でき、他の大問に時間をまわせただろう。

第4問 漢文
昨年度に比べて小問数が一問減少し六問になったが、マーク数は八問で変わらなかった。本試験で日本人の作品から出題されたのは初めてのことであった。本文の文字数は一九八字で、例年と変化はなく、内容も例年通り随筆的な文章で、設問の出題傾向にも大きな変化はなかった。しかし一文一文が長く、本文の理解を難しくしていた。

センター試験 2017年 国語 解答 速報