勉強習慣をつくるには

「勉強するのが苦手だ」という方は多いのではないでしょうか。学生はもちろん、社会に出てからも勉強はずっと必要なことです。

そこで、勉強することが日常生活の一部として習慣になれば、毎日勉強に取り組むことが苦ではなくなります。

どうすれば勉強習慣をつくることができるのか、勉強の効率がアップする日常生活のちょっとした心がけや食事内容、リフレッシュ方法をお教えします。

勉強習慣がない人の特徴とは?

世の中には2種類の人がいます。ひとつは、勉強することが自然と身に付いている人。もうひとつは、勉強が苦手ですぐに投げ出してしまう人です。その差は、どこにあるのでしょうか。

両者の圧倒的に違うところは、勉強習慣をつくっているかどうか。勉強をすぐに投げ出してしまう人は、ただ単に勉強習慣をつくってこなかっただけなのです。

勉強の目的は、人によってさまざまです。志望校合格のためだという人もいれば、資格取得のためだという人もいるでしょう。

社会と繋がりを持っている限り、勉強にはいくつになっても「やらない」という選択肢はなく、常に必要なこと。
なぜなら、勉強すると物事の本質を理解できるようになるからです。

また、周辺知識を身に付けることによって広い視野を手に入れ、思考力を高めることができます。勉強習慣がない人は、あらゆる場面で選択肢を狭め、損をしているのかもしれません。

勉強習慣がない人の特徴として、次の5つが挙げられます。

  • 少し分からないとやめてしまう
  • 他の誘惑が多い
  • スキマ時間を活用できていない
  • モチベーションを保てない
  • 勉強が日常生活に組み込まれていない

それぞれの特徴を持つ人の傾向に合わせて、勉強習慣をつくる方法をお教えします。

少し分からないとやめてしまう人は

勉強に取り組もうという気持ちはあるものの、分からない問題にぶつかった途端にやめてしまう人がいます。

当然のことながら、勉強とは知らないことを学び、難しい問題に挑戦していくもの。できる問題ばかり取り組んでいても、勉強とは言えません。

できる問題にだけ取り組むのではなく、理解できていなかった部分や苦手分野に少しずつ取り組んでこそ理解を深めることができるのです。

ただ、分からない問題があるとテンションが下がってしまうのは、仕方がないこと。
そこで、まずは勉強しようと思えるようにハードルを下げてみませんか。

少し分からないと勉強をやめてしまうという人が取り入れたいポイントは、次の2つです。

  1. 簡単な問題から始めること
  2. 短い時間で区切って取り組むこと

まず、簡単な問題から始めます。最初から応用編の問題や記述式の問題から取り組むのは、たとえるならウォーミングアップをせずにマラソンを走り始めるようなもの。

頭が勉強モードに入っていないのにもかかわらず難しい問題に取り組むと、とくにもともと勉強に苦手意識のある人は拒絶反応が出て当然です。
そのため、最初はおさらいのつもりで簡単な問題から始めましょう。

次に、短い時間で区切って取り組みます。一番効率が悪くなるのは、本人は勉強しているつもりで机に向かっているのに、難問に当たると心あらずの状態になり気が付けば長時間経過していること。

一見勉強に費やす時間を確保できているようでも、勉強時間は驚くほど短いのが実状です。
時間を有効に使うために大切なのは、タイマーなどを利用して短い時間で区切りながら進めていくこと。

区切った時間を過ぎてもまだ時間が必要ならば、再度時間を区切り直します。

区切った時間を過ぎても分からない場合は、思い切って解答を見てしまった方が次に生かすことができます。

このように簡単な問題から始め、短い時間で区切りながら取り組んでいると、分からない問題があっても投げ出しにくくなります。

人間というのは不思議なもので、続けて問題を解くことができたり、解けなくても解答に納得し問題数をこなしていくうちに、調子が出てきます。

そうすると、「キリのいいページまでやってしまおう」、「以前つまづいた問題も今ならできるかもしれない」というように前向きな気持ちで取り組めるようになります。

他の誘惑が多い人は

テレビやゲーム、スマホなど、勉強していてもついつい気になってしまうものは多いです。

その誘惑に勝てず、ほんの少しだけと勉強をやめたまま長時間経過してしまうケースは少なくありません。そこで、3つのポイントに気を付けましょう。

  1. 勉強部屋や家庭内の環境を整えること
  2. どこでも勉強できるように勉強道具を手放さないこと
  3. 小さな目標を決めて、そこまでできてから趣味の時間にすること

まず、勉強部屋や家庭内の環境を整えます。気が散りやすい人は、勉強机付近には勉強道具以外を置かないようにしましょう。

テレビやゲームが気になる人は、テレビに布を掛けたりゲームを片付けるだけでも抑止力になります。

スマホについても玄関に置いておくなど物理的な距離を取ったり、使用時間制限をするアプリをダウンロードすると良いでしょう。

次に、どこでも勉強できるように勉強道具を手放さないようにします。トイレや食事休憩のついでにテレビやゲームを始めると、思いがけず長い休憩時間になってしまうことも。

休憩のたびに誘惑に打ち勝てずにいると、勉強に費やす時間が減ってしまいます。そこで、休憩の時も勉強道具を手放さないようにしましょう。

トイレや入浴中は、意外と暗記するのに適した時間です。勉強するテンションを途切れさせないように、いつでも手元に勉強道具を用意しましょう。

最後に、小さな目標を決めて、そこまでできてから趣味の時間にします。勉強時間を確保することは大切なこと。

しかし、趣味を楽しんだりリフレッシュできる時間がないと、長期的な勉強習慣をつくることはできません。

そこで、勉強前には自分でその勉強時間内にに達成する小さな目標を決めます。それができたら趣味の時間を持てるということにすると、ぐっと集中力を高めやすくなります。

スキマ時間を活用できていない人は

忙しさを理由に勉強できないと言う人は多いです。しかし、本当にそうでしょうか。
どんなに忙しいように思えても、「スキマ時間」は意外と多いもの。何気なく過ごしているスキマ時間を積み重ねれば、立派な勉強時間になります。

スキマ時間を活用して、「忙しくて勉強できない」という言い訳をするのはやめませんか。

スキマ時間として代表的なのは、次の3つです。

  1. 通学・通勤中
  2. トイレ・入浴中
  3. テレビやスマホを見ている時間

まず、通勤・通学中に何となくスマホをいじって時間をつぶしているなら、それはとてももったいないこと。

前日のおさらいやその日の予習を行えば、勉強効率を上げることができます。朝くらいゆったりした気持ちで過ごしたいという人は、新聞を読むだけでも構いません。時事ネタの収集や、漢字の勉強になります。

次に、トイレ・入浴中は暗記に最適な時間です。なぜなら、トイレも浴室も個室で人の視線を気にせずにゆっくりできる場所だから。

自分だけの空間にいると、記憶力が高まります。ただし、浴室は湯気がこもっているため、テキストがシワシワになってしまうことも。

ジッパー付きの袋に入れるなどして対策しましょう。半身浴しながら暗記すると血行が高まりポカポカになりますが、のぼせや立ちくらみには注意してください。

モチベーションを保てない人は

勉強を「何となく」続けるのは難しいことです。
そのため、何となく勉強しているとモチベーションを保つことができず、途中で諦めてしまいがちです。そこで、2つのポイントを意識しましょう。

  1. 短期間の目標を設定すること
  2. 難易度の低い目標を設定すること
  3. まず、短期間の目標を設定します。たとえば最終目標が志望校の合格で、その合否発表が1年後であった場合、それまでの1日1日をどう過ごしていくかは漠然としています。

    そこで、合否発表までの時間を逆算しどうすれば勉強範囲を網羅できるのかを考えます。そうすれば、自ずと1か月単位・1週間単位の目標が見えてくるはずです。

    次に、難易度の低い目標を設定します。なぜなら、あまりにも高い目標にしてしまうと目標を達成できなくても仕方がないと開き直り、目標を立てた意味がなくなっていくからです。短期間でできる難易度の低い目標を達成することを積み重ねていくうちに、「勉強したい」という前向きな気持ちが生まれます。モチベーションをアップさせて、最終目標に近付きましょう。

    勉強が日常生活に組み込まれていない人は

    今まで勉強習慣をつくってこなかった人は、あれこれ試してみてもなかなか勉強を日常生活に組み込むことが難しいかもしれません。
    そこで、まず2週間試してみてほしいことが2つあります。

    1. 勉強している人が多い場所で勉強すること
    2. 手帳やカレンダーに勉強時間を記入すること

    まず、図書館や授業前の教室、出勤前のカフェなど勉強している人が多い場所に行ってみましょう。

    初めて利用する人なら、勉強している人の多さにびっくりすることでしょう。家ではライバルや同志の存在に気付きにくいものです。

    しかし、勉強している人が多い場所では「自分も勉強しなくては」と感化され、モチベーションを上げることができます。

    次に、手帳やカレンダーに毎日の勉強時間を記入しましょう。自分がどれだけ勉強に向き合えているのか「見える化」することで、自分を客観視することができます。

    詳細な勉強時間を記入するのは続かないという人は、1日を振り返って「〇」か「×」を記入するだけでも構いません。

    2週間続けるうちに、勉強時間が少ない日はもっと勉強ができたのではないかと考えられるようになります。まずは2週間続けて、勉強習慣を体になじませましょう。

    勉強習慣のために日常生活を変えよう

    勉強習慣をつくるためには、規則正しい生活が欠かせません。
    なぜなら毎日ほぼ決まった時間に勉強するようになれば、習慣として体になじませることができるからです。

    基本ではあるものの、規則正しい生活には早寝早起きをするのが一番の近道です。

    早寝早起きをしよう

    早寝早起きが勉強習慣に役立つメリットは、3つあります。

    1. 勉強した内容を脳に定着させることができる
    2. 朝の時間を活用することができる
    3. 限られた時間で集中することができる

    まず、脳は寝ている間にその日に得た情報を整理しています。そのため、規則正しく早寝早起きすると、勉強した内容を脳に定着させることができるのです。

    次に、早起きすれば朝の時間を活用できます。朝は比較的SNSの更新が少ないので、スマホが手放せない人も集中力を維持して勉強しやすいです。

    最後に、就寝時間を決めておけば限られた時間で集中できるようになります。
    反対に夜遅くまでダラダラと勉強していると、睡眠時間が確保できず日中の集中力をなくす原因に。

    試験は午前中から午後にかけて行われるので、生活リズムが逆転していると本番で力を存分に発揮できなくなってしまいます。

    勉強効率を上げる食事内容とは

    勉強習慣をつくることができても、頭に栄養が回らなければ効率が落ちてしまいます。
    食事の内容次第では集中力をアップする効果が期待できます。食事をおろそかにせず、ほんの少し気を付けてみましょう。勉強効率を上げる食材は、次の5つです。

    1. 白米
    2. 青魚
    3. 赤身魚
    4. 豚肉
    5. コーヒー・紅茶
    6. 白米

      白米には、ブドウ糖が豊富に含まれています。ブドウ糖とは、脳にエネルギーを補給する栄養素です。

      勉強中はほとんど体を動かしませんが、脳をフル回転しているため、大量のエネルギーを消費します。そこで、疲れたと感じたらブドウ糖を含む白米を食べてエネルギー補給しましょう。

      最近では夕食に糖質制限する人も多いですが、夕食後も勉強するなら白米をしっかり食べましょう。間食についても、ブドウ糖を含むバナナやおにぎりがおすすめです。

      青魚

      青魚には、DHAが含まれています。DHAとは、脳を活性化して集中力を高めてくれる栄養素です。脳や目にも良い栄養なので、積極的に青魚を食べるようにしましょう。

      青魚の栄養の多くは、脂肪に含まれています。そのため、おすすめの食べ方は丸ごと食べられる刺身や、煮汁に溶け込んだ脂肪も一緒に食べる煮魚。青魚を食事に取り入れるのが難しい人は缶詰を常備しておくと、何もない日のおかずにもぴったりです。

      赤身魚

      赤身魚には、ビタミンBが含まれています。ビタミンBとは、疲労回復や記憶力アップに役立つ栄養素です。勉強して疲れたと感じた時には、マグロやカツオを食べましょう。

      同じ赤身魚ですが、マグロよりカツオの方が脂肪分が少なくヘルシーです。刺身で食べるのがおすすめです。

      豚肉

      豚肉も赤身魚と同じで、疲労回復や記憶力アップに効果的なビタミンBが含まれています。お肉を食べる時には、豚肉を選ぶようにしましょう。

      豚肉は部位によっては脂身が多いところも。脂身の多い部位はビタミンBが少ないので、バラやロースではなくモモやヒレを食べましょう。

      コーヒー・紅茶

      コーヒーや紅茶には、カフェインが含まれています。カフェインには、脳を活性化させる働きがあります。

      そのため、コーヒーや紅茶を飲み過ぎるとカフェインの作用で眠れなくなることも。規則正しい生活を送るために、夜は控える方がよいでしょう。

      カフェインには、高い利尿作用があります。普段はあまり気にならない人も、試験前に飲むと緊張と相まって途中で尿意を催すことも。大事な試験中に集中できなくなる恐れがあるので、コーヒーや紅茶を飲むタイミングには気を付けましょう。

      勉強中のリフレッシュにおすすめの運動とは

      ずっと勉強していると、疲労が蓄積されていきます。疲労感に気付いた時には、集中力が低下し、勉強効率が悪くなっていることも。
      短時間の休憩を挟んだ方が、ずっと勉強しているよりも効率を上げることができます。

      小休憩では人と話したり趣味を満喫するのもいいですが、本番の試験に向けて体作りを行うことができる運動がおすすめです。

      体調を維持できるように健康的な体を目指しましょう。ただし、勉強する体力を奪っては本末転倒です。そこで、小休憩に取り入れたい運動は次の3つです。

      1. 散歩
      2. ストレッチ
      3. 外の空気を深呼吸

      散歩

      勉強していると、運動不足になりがちです。そこで、足を動かすことができる散歩をしましょう。

      足は「第二の心臓」と呼ばれるほど重要な部位。散歩して足裏を刺激し、全身の血行を促進することで健康維持に役立ちます。

      余裕がある時は近くのコンビニに行くだけでも、気分転換になります。試験会場などその場を離れられない時は、トイレに行くと気分が落ち着くでしょう。その場でジャンプするだけでも、体がすっきりします。

      ストレッチ

      勉強していると、集中すればするほど前かがみになりがちです。そこで、凝り固まった肩甲骨を動かすストレッチをしましょう。

      体の後ろで手を組み、肩甲骨を近付けながら上を向く「キャットストレッチ」は、背中のコリをほぐすのに効果的です。
      息を吐きながら行いましょう。椅子に座ったままでもできるストレッチは簡単にリフレッシュできるので、取り入れるとよいでしょう。

      外の空気を深呼吸

      勉強で煮詰まった時には、新鮮な外の空気を深呼吸しましょう。頭が冴えて、眠気対策になります。鼻づまりがひどい時にもおすすめです。

      試験の日が近づいてくると、漠然とした不安や焦りを感じる人は少なくありません。
      小休憩時にゆっくりと深呼吸すれば体中に新鮮な酸素が行きわたり、リラックス効果を得ることができます。

      まとめ

      勉強習慣をつくるには、まずはハードルを下げて簡単な問題から始め、時間を区切って取り組みましょう。

      忙しい人もスキマ時間を有効活用できれば、勉強時間を確保することができます。自分に合った方法を見つけて、まずは2週間続けて体に勉強習慣をなじませましょう。

      食事内容で集中力をアップすることができます。白米を食べて脳にエネルギーを補給したり、青魚を食べて脳を活性化したり、豚肉を食べて疲労回復するようにしましょう。

      ずっと勉強しているよりも、小休憩中に運動を取り入れた方が効率がアップします。勉強する体力を奪わない程度の散歩やストレッチでリフレッシュしてから勉強に取り組み、集中力を維持しましょう。

CATEGORY