勉強を復習するベストなタイミングは?

多くの方は、勉強ができる方、難関高校や難関大学に合格した方を「天才」と呼びます。

果たして本当に天才なのでしょうか?実は難関校に合格した方の多くはただの「天才」ではなく、「努力の天才」です。では何の努力かというと、「繰り返し復習する努力」ができる才能があるのです。

勉強における復習の重要性と、復習をするベストなタイミングについて解説していきましょう。

復習とは?

復習とは読んで字のごとく、一度学んだ部分を繰り返し学び直す勉強法です。

古い記憶を辿れば、小学生のころに先生や両親に「予習復習をやりなさい」と言われた経験があるという方も多いのではないでしょうか。

しかし、一度学んだ部分をもう一度学び直すということは、すでに知っていることをもう一度勉強することになり、多くの方はあまり復習の回数は多くないのではないでしょうか?

ところが勉強ができる人ほど復習を一度ではなく何度も、そしてベストなタイミングで繰り返しており、この復習の繰り返しが学力に直結しているとも言われています。

1度や2度では効果がない?

復習は1度や2度では大きな効果が得られません。できれば3度以上、しかも適当なタイミングで行うことが重要になります。

復習を行う目的は、一度覚えたことを忘れる前にもう一度学ぶことで、忘れないように脳にとどめておくことです。

ポイントは忘れてしまう前に行うこと。間隔を開けすぎた復習は、復習ではなく単純に学び直しとなりますので、あまり効果は期待できません。

復習をする意味

復習を複数回行うことの効果は、すでに科学的にも証明されており、理論上も非常に効果の高い勉強方法という証明がされています。

ここではその理論を簡単に解説していきたいと思います。

短期記憶を長期記憶へ

人間は新たに得た知識を前頭葉の部分で記憶します。これを短期記憶といい、すべての知識は一度この短期記憶に収納されます。

しかし短期記憶は時間とともに薄れていき、やがて消えてしまいます。いわゆる忘れてしまうという状態です。

買い物する予定のものを忘れてしまったり、数日前のご飯のおかずを忘れたりしてしまうのも、その記憶が短期記憶のままの状態であったためです。

勉強して得た知識がこの短期記憶にしかないのは大きな問題です。近い将来忘れてしまう記憶のため、勉強した意味がなくなってしまいます。

そこでこの短期記憶を脳の別の部分で長期記憶として保存する必要があります。

短期記憶にある知識を繰り返し記憶する、活用することで、脳が刺激を受け、短期記憶は長期記憶へと移行されます。

簡単な漢字や英単語、自分の名前や住所、九九などの記憶がなくならないのは、これらの情報を何度もイメージしたりアウトプットしたりするためです。

エビングハウスの忘却曲線

18世紀後半のドイツの心理学者、ヘルマン・エビングハウスは、人間の記憶がどの程度の時間で忘れられてしまうかを、自身を被験者として実験し、その結果を論文にして発表しています。

これを「エビングハウスの忘却曲線」といい、人間はこのスピードで覚えたことを忘れていくと言われています。

新規記憶からの経過時間 記憶残量
0分 100%
20分 58%
1時間 44%
9時間 36%
1日 33%
2日 28%
6日 25%
31日 21%

人間の記憶は、記憶した直後、大幅に減少し、その後は緩やかな曲線を描いて徐々に忘れていきます。

これが短期記憶に収容された知識の忘却のペースとなります。

学んだ1時間後には半分以上を、1日後には2/3を、1週間後には3/4を忘れてしまうわけです。

一度勉強して覚えた知識も、その後復習をしなければこのペースで忘れていきます。これでは勉強をした意味がありません。

では、この忘却曲線を変えることはできるのでしょうか?そのために必要なのが復習です。

ウォータールー大学の研究

エビングハウス忘却曲線を元に、いつどの程度の復習をすれば覚えた知識を忘れないかについて研究したのが、カナダのウォータールー大学です。

この大学の研究室では、効果的な復習のタイミングと、復習に必要な時間を研究し発表しています。

新規記憶からの
経過時間
エビングハウス
記憶残量
復習時間 復習後の記憶残量
0分 100%
20分 58%
1時間 44%
9時間 36%
1日 33% 10分 100%
2日 28%
6日 25% 5分 100%
31日 21% 2~4分 100%

ウォータールー大学の研究によると、記憶してから24時間以内に10分間復習すると、記憶は100%まで回復します。

その後、記憶量は徐々に下がっていきますが、さらに1週間以内に同じ内容を5分間復習することで、再度記憶は100%に戻ります。

さらに1か月後に2~4分間復習をすると、またもや記憶は100%復活しました。

つまり、一か月の間に3度、効率的に復習をすることで、一度覚えた記憶は1か月後もしっかりと記憶に残っているということになります。

復習をするベストなタイミングを解説

ここまでは実際の研究結果を見てきました。とはいえ、これをそのまま実際の勉強に流用するのは難しいかと思います。

そこで、実際に勉強をしている高校生の方が実践できるようなペースでの復習を想定してみましょう。

高校生は平日毎日授業があり、授業のたびに新しい知識を記憶していきます。これらを複数回復習することで、身に付ける勉強法を考えてみましょう。

ここでは平日1日5時間の授業を受けると想定して考えていきましょう。

その日の夜に10分間

まずは授業を受けたその日の夜です。エビングハウスの忘却曲線でいうと9時間経過(記憶残量36%)の状況での復習です。

このタイミングで、1教科2分ずつ、合計10分間の復習をしましょう。この復習でほぼ100%記憶は修復されるはずです。

復習を毎日行うと考えると面倒くさいと思われるかもしれませんが、毎晩10分程度であれば大した時間ではありません。

この10分間を毎日続けることができれば、勉強効果は非常に大きくなります。

翌朝起きたら5分間

続いて翌朝起きた時。このタイミングで1教科1分ずつ復習をすることで、寝ている間に失われた記憶を素早く回復させることができます。

1日5教科の授業と考えれば、合計5分間の簡単な復習でOKです。授業で習ったところを、教科書とノートを見て再度覚えなおしましょう。

ちなみに脳の働きとして、寝る前に記憶したことを、起きた後に再度アウトプット(覚えなおし)することで、記憶が脳に定着しやすくなります。

毎週末に30分

最後に週末の勉強です。週末は1週間分の記憶を覚えなおす必要があります。しかし毎朝晩復習をしていれば、すでにある程度記憶は定着していることになります。

週末の復習は、1教科1分ずつ。1週間分で計算しても、5時間×5日間ですから25~30分程度の復習で十分ということになります。

さらに問題集で補完

週末の勉強は、30分程度の復習に加え、演習問題などでアウトプットをするのがおすすめです。

人間の脳はインプットとアウトプットを繰り返すことで長期記憶に知識を定着させやすくなると言われています。

勉強における知識のアウトプットは、実際に問題を解くことがもっとも効果的な勉強方法。

しっかりとアウトプットをすることで、記憶を定着させるのがおすすめの勉強方法です。

おすすめの復習勉強方法

復習は面倒なイメージがあるかもしれませんが、毎日続けていくと仮定すれば、数分の勉強時間でも大きな効果が得られます。

では実際に復習を行う場合、どのような勉強方法があるのかを紹介しておきましょう。復習には主に2つの勉強方法があります。

インプット復習法

インプットとは知識を取り入れる勉強方法です。授業で習った範囲の教科書を読み返したり、板書したノートを読み返しなどの方法が主なインプット復習法となります。

ほかにも教科ごとにインプット復習法がありますので、簡単な例をまとめておきましょう。

科目 インプット復習方法
全科目共通
  • 教科書を読み返す
  • 授業のノートを読み返す
文系科目(国語・古典・地歴公民)
  • 単語や年号などを改めて覚える
理系科目(数学・理科)
  • 例題の解法などを再度確認する
  • 公式や法則の理屈を改めて読み返す
英語
  • 英単語の意味を覚えなおす
  • リスニングの音源を聞き直す

インプット復習法のポイントは、一度勉強した範囲をもう一度覚えなおすこと。そのため比較的いつでもどこでもできる勉強法といえます。

また、情報をインプットするのは寝る前が効果的とも言われていますので、寝る前の復習におすすめの勉強方法となります。

アウトプット復習法

アウトプットとは持っている知識を使用する、発信するという意味で、勉強でいうと問題集を解いたり、ほかの人に教えたりする勉強法となります。

科目 アウトプット復習方法
全科目共通
  • 問題集を解く
  • 他人に覚えた知識を説明する
文系科目(国語・古典・地歴公民)
  • 単語や年号の問題を解く
理系科目(数学・理科)
  • 授業で解法を解説された例題を解き直す
英語
  • 英単語の問題を解く
  • リスニングの音源を声に出して発音する

問題を解くという性質上、ある程度の時間や問題集などを開くスペースが必要な勉強方法となります。

アウトプットに最適なのは、脳が整理整頓された状態の朝と言われており、アウトプットによる復習も、可能であれば朝の復習時間がベストです。

大学ManaBunで効率的な復習を

復習が効果的ということは理解しても、どのように復習すればいいのか分からないという方もいらっしゃるかと思います。

そんな方におすすめしたいのが、通信講座のフォーサイトが提供するeラーニング教材「大学ManaBun」です。

大学ManaBunにはいろいろなコンテンツがあり、このコンテンツを利用して復習を行うことも可能です。

わかりやすい講義動画で効率的にインプット復習

講義動画はインプット復習法に最適なコンテンツとなります。

大学ManaBunはeラーニングを意識した構成となっており、スマホの小さな画面でも見やすい構成になっています。

もちろん音声も聞き取りやすく、自宅でスマホ1台あれば十分に利用できるサービスとなります。

講義動画は全教科。各教科ともに細かな単元ごとに区切られています。

もちろん講義は高校教育の教科書に沿った構成となっていますので、学校の授業で習った部分の講義が必ず見つかるでしょう。

講義動画の数は全教科合わせ4,000以上。探している講義動画が必ず見つかるでしょう。

項目ごとの演習問題でアウトプット復習

各教科の項目ごとに講義動画がある大学ManaBunですが、さらに演習問題も充実しています。

講義動画を見た上で挑戦する確認テストが、アウトプット復習法に最適です。

演習問題もeラーニング対応のため、スマホだけで完結できるのがポイント。

一般的に、ある程度の場所がないとやりにくいのがアウトプットの勉強法ですが、大学ManaBunでは、通学電車の中でも手軽にできるのがおすすめポイントとなります。

まとめ

人間の脳は新たに覚えた知識をまず短期記憶として記憶します。そのままの状態では、1日で2/3程度の記憶を忘れてしまいます。

短期記憶を長期記憶にするためには、覚えた知識を利用した勉強が重要。

つまり復習をすることが重要になります。記憶は徐々に忘れていきますので、復習はベストなタイミングで、適度に行うことが必要です。

とはいえ復習をした経験があまりない方にとっては、どのように復習していいか、どの程度の復習をすればよいか分かりにくい部分もあるかと思います。

そんな方には通信講座のフォーサイトが提供する、大学ManaBunがおすすめです。

大学ManaBunは毎月定額550円(税込)で、すべてのサービスを利用可能。4,000以上の講義動画も、各教科に設定されている演習問題も自由に利用できます。

自身のスタイルに合った利用方法が可能な大学ManaBunは、多くの高校生にとって非常に使いやすい教材ということができます。

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