読むだけで復習に!勉強ノートの作り方
学校や学習塾の授業以外で行う自習。この自習の際におすすめしたいのが、自分専用の勉強ノートを作ることです。
勉強ノートを作ることで、学習内容の理解度も深まりますし、その後の復習にも大いに役立ちます。
この記事では自分独自の勉強ノートの、基本的な作り方などをまとめていきたいと思います。
目次
勉強における3つのノート
現役高校生の場合、ノートといえば学校や予備校、塾の授業中に板書を写したノートのことを指すと考えてしまうかもしれません。
しかし、勉強をより効率的に、しかも効果的に行うのであれば、板書のノートだけでは足りません。1教科に対し少なくとも3種類のノートを使い分けることがおすすめです。
まずはこの3種類のノートに関して解説していきましょう。
板書ノート
板書ノートはいわゆる板書をするノートです。学校の授業などでは、教師が黒板を利用し、板書をしながら授業を進めます。この板書を書きとるのが板書ノートです。
しかし板書ノートといっても、単純に黒板の文字を書き写せばいいというものではありません。
小学校レベルの授業であればそれでも十分だったかもしれませんが、勉強の質が上がる高校レベルになると、書き写しているだけではあまり意味がなくなってしまいます。
単純に黒板を書き写すだけであれば、それこそ黒板をスマホで撮影すれば済む話。しかしそれでは効果的な勉強は望めません。
学校にはいろいろなタイプの教師がいるかと思います。板書の多い教師、丁寧に書く教師、字の汚い教師など、いろいろな教師がいるでしょう。
しかし、どの教師の授業にも共通して言えるのは、大事なことは板書を写すのではなく、教師の言葉を聞くことであるということです。
教師は自分の授業を分かりやすくするために黒板を使います。つまり黒板は補助的なもので、大事なことは教師の言葉の中にあります。
板書を写すのに必死で、教師の言葉を聞き逃しては意味がありません。教師の言葉を聞きながら、大事な部分のみをノートに書き写すのが本来の板書ノート。
実際に黒板に書かれている文字でも大事ではない部分は無視してもいいですし、書かれていなくても大事な発言があれば書き留めるようにしましょう。
また、授業中はノートをとることに必死になりすぎないのがポイント。教師の言葉を聞くことにも意識を向けましょう
演習ノート
演習ノートは主に暗記すべき項目や問題集を解く際に使うノートです。この演習ノートは使い方が2種類に分かれますので注意しましょう。
一つ目は暗記用の書き取りノートです。人間は書くことでものを覚えることができます。
仕事やアルバイトなどでも、人に聞いたことはメモに取れと言われるのはこの理屈からです。
暗記用のノートは、暗記する項目や補足事項、覚え方などを書きましょう。漢字、英単語、古文の活用、年号、歴史上の人物の名前、政策や戦争などなど。
勉強には覚えるべき項目がたくさんあり、それを書くことは暗記しやすくするための一つの手段となります。
二つ目は特に理系科目で使用する、問題集の解答用のノートです。
理系科目の中でも数学や物理は計算を必要とする問題が多いため、演習ノートを利用して計算を行います。
このタイプの演習ノートのポイントは、後で見返すことがあるということ。例えば数学の問題をイメージしましょう。
与えられた条件からどのように計算を組み立て、どこでどんな公式を用いて答えにたどり着いたのか、もしくはたどり着けなかったのか。この途中経過が非常に重要になります。
そのため、特に解けなかった問題は、後で途中式を見返し、どのポイントで間違えたのかを知ることが重要です。
そこで理系科目の演習ノートは、ノートの右半分ほどを空白にするのがおすすめです。また、絵を描いたり写真を貼り付けることで、より内容をイメージしやすくなるでしょう。
各ページに空白を作っておくことで、後で見返したときに気づいたポイントや、勘違いしたポイントを書き足すことができ、復習に大いに役立ちます。
それぞれの教科、勉強する項目に合わせた演習ノートを作りましょう。
勉強ノート
この記事で特に注目したいのがこの勉強ノートです。これは自分で勉強したことをまとめる、自宅学習用のノート。勉強した項目をきれいにまとめることで、勉強効率を高めることになります。
また、学校での板書ノートもここで生かすことができます。板書ノートは授業中に書くため、きれいにまとめることが難しいです。
しかし自習で作り上げる勉強ノートは、自分なりのペースで作成できるため、丁寧に作成することができます。
この勉強ノートは、定期テスト前など、後で見返すことが多いノートです。
後で見返したときに自分で見やすいように、情報を整理整頓し、分かりやすく作成する必要があります。
勉強した項目を分かりやすくまとめるには、その内容を自分なりにしっかりと理解している必要があります。
つまり勉強ノートを作成することで、より理解が深まるということになり、効果的な勉強をすることができるようになります。
勉強ノートの作り方
では実際に勉強ノートを作る場合、どのように作ればいいか、具体的なポイントを挙げていこうと思います。
これまで勉強ノートを作ったことがないという方はこの記事を参考にしてください。
すでに勉強ノートを作成しているという方も、自分では気づいていなかったポイントがあるかもしれませんので、改めて確認の意味で目を通しておきましょう。
文章の書き写しは極力控える
勉強ノートを作る際、参考とするのは教科書や参考書、そして授業でとった板書ノートになるかと思います。
勉強ノートを作る場合のポイントは、「参考資料にある文章の丸写しは避ける」ということです。
もちろん、丸写しを避けられない部分は無理に書き方を変える必要はありません。
ただし、その部分は本当に丸写しでいいのかどうか、一度自分の頭で考えてから書くようにしましょう。
勉強ノートを作る際、自分の頭で勉強した内容を理解し、自分の言葉で、自分が分かりやすいような順序でまとめることがポイントです。
自分で考えて言葉にすることが、その項目を復習することにもつながります。必ず一度考えてから、どのような順序・どのような言葉でノートを作成するかを考えましょう。
また、ページのどの部分が重要なのかを意識しながらノートを作るようにしましょう。
その重要ポイントを解説するために、以前習った項目などを差し込むのももちろんOK。自分なりのノートを作れるように工夫しましょう。
勉強ノートには余白を作る
勉強ノートを作る場合、各ページに、ある程度の余白を作るのが大きなポイントとなります。
どの程度の余白かは個人差もありますが、ページの右側3~5割程度を余白としておくのがおすすめです。
この余白は後に復習をするときに使用するスペース。勉強を進めていき、気づいた点や理解を深めた内容をメモとして書き足すことで、より使いやすい勉強ノートになります。
また、演習問題などにチャレンジし、間違えてしまったポイントをメモするのもおすすめ。
なぜ間違えたのか、単なる記憶違いや計算ミスなのか、ほかの項目と混同してしまったのかなど、間違えた理由も分かっていれば、より効果的なメモができるようになります。
勉強ノートは一度で完成するものではなく、後に何度も復習し、そのたびに完成度が上がっていくタイプのノートとなります。
適度な色分けを行う
勉強ノートは復習をするときに活用するノートです。そのため見やすさは非常に重要であり、見やすくするために適度に色を使いこなす必要があります。
ただし、ここで考えておきたいのが見やすさと分かりやすさです。あまりに多数の色を使ってしまうと、ただ派手なだけで見にくいノートとなってしまいます。
これは教科によっても変わるかと思いますが、使う色は2~4色程度がいいでしょう。
色分けのポイントは重要な部分に使うのはもちろん、色分けすることでカテゴリー分け、重要度分けにも使えます。
最重要は赤、やや重要はオレンジ、それなりに重要な部分は青などと決めておけば復習もはかどります。
カテゴリー分けは、例えば年号に関する部分は赤、人物にかかわる部分はオレンジなど、カテゴリーで分ける方法。どちらも一目で分かるように工夫してみましょう。
教科ごとにノートを分ける
勉強ノートをひとつのノートにまとめている方もいるかもしれませんが、後に見返すことを考えると、やはり勉強ノートは教科ごとに分けるのがベストでしょう。
後に復習をするときに、るのか非常に曖昧なので、どのノートのどのページにまとめたのか分からない状態ですと、勉強効率が上がりません。
また復習をしながら同じ強化の別の項目も見返したいとなった見返したいとき、まずそのページを探さないといけません。
何冊もノートを用意するのが面倒、手間という方にはルーズリーフがおすすめ。見出しのページを教科分用意しておけば、ひとまとめにして保管することも可能です。
ルーズリーフのおすすめポイントは順番の入れ替えも可能なこと。後に自分が苦手な分野が見つかったとき、苦手分野のページだけをまとめることも可能です。
また、日本史や世界史のノートを、国別、時代別、項目別に並べなおすこともできます。
いずれにせよ、教科ごとにノートを分けるのはほぼ必須ですので覚えておきましょう。
自分で読みやすいように整理整頓する
この記事で繰り返し書いていますが、勉強ノートを作成するのは、後に自分で復習するのが大きな目的のひとつです。
そのためにはある程度丁寧に、分かりやすくする必要があります。
後に自分が見返しても一目でわかるように、丁寧に整理整頓して作成するようにしましょう。
もちろん自分のための勉強ノートですので、基本的に他人に見せることはありません。
しかし、イメージとしては他人が見ても理解できるようなレベルの丁寧さを意識するのがおすすめ。
ほかの人が見ても理解できるというレベルであれば、自分で見返しても理解しやすいということになります。
どのようにまとめるのが丁寧か、これは自分で考えるのが一番です。
自分で考えることで、その時の学習内容の理解度が深まりますので、ぜひいろいろと考えて見やすい勉強ノートを作りましょう。
勉強ノートを作るメリット
ここまで勉強ノートの内容や作り方をまとめてきましたが、そもそも勉強ノートは作らなければいけないものなのでしょうか。
自宅での学習の方法はさまざまで、わざわざ時間をかけて勉強ノートを作るメリットがあるのかどうか疑問に思う方もいらっしゃるかと思います。
しかし、勉強ノートは時間をかけて、わざわざ作るだけのメリットがある勉強方法になります。そのメリットについてまとめていきましょう。
勉強ノートを作ること自体も復習になる
勉強ノートは、後の復習で役に立つと書きました。しかし、もっと言えば、勉強ノートを作ること自体が復習であるともいえます。
人間の記憶は、時間とともに薄れていきます。特に新たに仕入れた知識は、頭に入れてから数時間単位で大幅に減少していきます。
この現象を食い止めるには、勉強したその日のうちに改めて勉強をする、つまり復習をするのが重要です。
その日習った範囲の勉強ノートを作るとすれば、授業で習ってから数時間後にもう一度習った部分について考えることになります。
つまり勉強ノートを作るために、頭を使ってその日習ったことを覚えなおすことは、記憶の定着にとっても有効な復習方法ということになります。
自分なりに勉強内容をまとめることができる
勉強は授業で習っただけでは完全に自分のものにはなりません。習った内容を自分の頭の中で再度考え、分かりやすくまとめる行為自体が勉強方法として非常にメリットがあります。
学習内容を頭の中で整理整頓するということは、学習内容に関してきちんと理解している必要があります。
もし少しでも不明点があれば、その不明点に関して調べることになりますので、効果的に関連項目に関しても勉強できるということになります。
勉強はひとつの部分のみを勉強するより、それに紐づいた部分も合わせて勉強することで、より効果的になります。これを実現する有効な方法として勉強ノートがあるとも考えられます。
勉強ノート作りの注意点
勉強ノートの作成は、復習としての効果、学習内容をより深く理解するという効果があるうえ、将来的に復習するときにも有効なツールとなります。
同じ勉強をするのであればぜひ導入したい勉強方法ですが、作成をする際にはどのような注意点があるかを挙げておきましょう。
後回しにしない
まず重要なのは「後回しにしない」ということ。その日に習った範囲が狭かったとしても、次の授業の後にまとめて行うというのはあまりおすすめできません。
上でも少し触れましたが、人間の記憶は時間とともに薄れ、特に記憶してから数時間の間は極端なスピードで記憶が失われていきます。
数日空けてからの勉強ノート作成は、復習効果が低くなり、あまりおすすめとはいえません。
また、後回しにしてはいけないのは、作成することだけではありません。
勉強ノートを作っている中で、疑問に思う項目があった場合も、後回しにするのは得策ではありません。
気づいたことはすぐに調べる、調べたことをノートに反映するということを意識して作成するようにしましょう。
「丁寧」にこだわりすぎない
勉強ノートの作り方の項で、ある程度丁寧に作るということを書きました。これに反するような言葉になりますが、この「丁寧」にこだわりすぎるのも問題です。
丁寧ということを意識しすぎると、勉強の内容以上に丁寧さに意識が向いてしまい、勉強内容がきちんと頭に入ってこない可能性があります。
もちろん後で見返すノートですから、丁寧に作る必要はありますが、他人に見せるようなノートではありません。
自分が後で見返して、理解できる範囲で、丁寧さよりも内容を重視して作るようにしましょう。
まとめ
自分なりに勉強内容をまとめて作成する勉強ノートは、勉強効率を上げる意味でも、学習効果を上げる意味でも、非常に有効な勉強方法です。
できれば授業を受けたその日のうちに、アルバイトや部活動がある場合も、できれば授業を受けたその日のうちに作成するのがおすすめです。
勉強ノートは後にその部分を復習するときにも利用できる貴重なツールであり、その資料を自分で作成することで、より深く学習内容を把握することができる方法です。