世界史の勉強の仕方

世界史は、大量の歴史事項を目の前にしてどのように勉強を始めればよいか不安になるはず。学校のペースは遅いし、自分である程度学習を進めていかなくてはならない。東大生は世界史の学習をどのように進めていったのか、インプット・アウトプットの方法論について語る。

地歴の3科目(地理、日本史、世界史)の中で、最も暗記量が多いと言われる世界史。みなさんはどのように勉強を進めているでしょうか?

受験生の中には「膨大な用語をどうやって覚えていったらいいかわからない」「学校のペースが遅すぎて入試本番に間に合うか心配」、はたまた「用語は覚えたものの丸暗記になってしまって歴史の流れがわからない」などといった疑問・不安を抱えている方も多いと思います。

今回はそんな世界史の悩みを解決する助けになるかもしれない【東大生の世界史学習法】について紹介していきたいと思います!
(以下は私見であり、書かれている内容が必ず効果の出るものであるという保証は致しかねます。)

用語のインプットについて

同じ用語を繰り返し復習する

僕は用語の暗記には、一問一答の問題集を使って、オーソドックスに赤シートを使って頭の中で答えるような形で覚えていました。他にも答えを書きだしたり、問題文を写したりなど方法はあると思いますが、効率性の観点からはこの方法がベストかなと思っています。

なぜならポイントは1回1回を丁寧にやることよりかは(電車での移動中や休み時間などのスキマ時間を活用するのもいいと思います)、毎日一定の量を進めていき繰り返し復習を行うことだと思うからです。自分が受験生のときは同じところを2,3日ずつ空けて少なくとも3回程度は復習するようにしていました。定期的に同じ問題・用語に触れることで記憶の定着は格段に良くなるはずです。(下図参照)


https://ja.wikipedia.org/wiki/忘却曲線より

エビングハウスの忘却曲線。赤色の線は復習しなかったときの記憶の定着を著す曲線で、緑色の線はそれぞれ1,2,3日後に復習したときの記憶の定着を著す曲線。定期的に繰り返し復習することで記憶の定着率は格段に上がります。

問題文は教科書の役割

他にも一問一答を最大限活用するために注意することがあります。その1つは問題文をよく読むということです。一問一答の問題文というと1~2行、長くても5行程度の短いものですが、慣れてくるとついつい問題文の一部のキーワードを見ただけで答えがわかってしまい、次々と進んでしまいがちです。しかし世界史の点数を上げるためには、用語を歴史の流れの中で前後関係をおさえて理解することが必要です。そのためには問題文をしっかり読むことが重要です。

1問ずつ問題文ごと読んで進めていけば、自然と用語と用語のつながりはある程度見えてくるようになります。時代ごと・地域ごとに重要な点が穴あきの文章になってまとめられている一問一答は教科書の代わりにもなっているとも捉えられるでしょう。問題文を丁寧に読みながら問題に答えていくことは、用語暗記と教科書の精読を同時に進められる一石二鳥の勉強法といえます。

用語はまとめて覚える

特に記述問題を解く際は、問題で問われているテーマに関連する用語を瞬時に自分の知識のストックから出してきて文章の形にしなければなりません。ここで役立つのは一問一答を小見出しのまとまりごとにつなげて覚えることです。同じページ、同じ節にある用語は必ず互いに関連がある同じ時代、同じ地域などに該当する用語です。

漫然と進めていくのではなく、本の中で近い位置にある用語は、内容の面でも近いということを常に頭に置きながら進めていくようにしましょう。このようにまとめて暗記をすることで、記述問題の問題文中の用語、指定語句などから関連する用語がより簡単に引き出してこられるようになります。

アウトプットについて

記号問題、用語記述問題、小論述(東大の第2問)、大論述のいずれにしろ、まずは(記述力やテクニック以前に)問題に関連する「知識の引き出し」を十分に準備しておくことが大前提になります。しかし、それができている受験生は決して多くはありません。よって僕は世界史の勉強時間の7割をインプットに費やし、そしてある程度知識が定着したと感じた頃から2次試験の過去問を使ってアウトプットを始めていきました。

ここでは特に多くの受験生が単なる知識問題以上の困難を感じるであろう論述問題に焦点を当ててアウトプットの話を進めていきます。

論述問題を解く際は先に構想を描く

論述問題に手を付ける際、いきなり解答用紙に文章を書き始める人をたまに目にしますが、僕は必ず構想を問題用紙や下書きに書くようにしていました。
設問では何を問われているのか(~に注目し、~の名称・役割など)を必ず確認して抜き出し、それに対する答えを書いたり、特に大論述では設問をいくつかの小さな問題に分解し、指定語句を分けたり、それぞれどのような順で書いていくかを記していました。

例えば1994年の東大第1問「モンゴル帝国の各地域への拡大過程とそこにみられた衝突と融合について、宗教・民族・文化などに注目しながら論ぜよ。」という設問は、「衝突」/「融合」×「宗教」/「民族」/「文化」の6個=それぞれ100字程度の小さな問題に分解できます。

これをすることで、その後の解答の文章が書きやすくなるのみならず、「設問の意図に答えられていない」「指定語句をどこで使ったらいいかわからない」「字数がオーバーしてしまう」など受験生が陥りがちなミスも避けることができます。

復習について

論述問題を解いた後は(できれば他の誰かに添削を頼めるといいですが)必ず解説を読んで復習してください。
確認することは模範解答そのものより(ⅰ)設問の分解の仕方、(ⅱ)引き出せていなかった知識はないか、の2つです。さらに復習の段階では図説を使うことを強くオススメします。

地図や年表、図で歴史事象を理解することで効果的に自分の頭の中にある知識を結びつけることができます。
同じ論述問題はおそらく二度と出題されることはありませんが、1つの論述問題の中に出てきた「部品」(先ほどの1994年第1問では例えば「宗教」「融合」)は再利用することができます。

この「部品」を理解し、自分の中に新たな「引き出し」として蓄えていくことがアウトプットの最終的な目標なのではないかと思います。

以上簡単にですが、世界史の勉強法をインプットとアウトプットに分けて紹介してみました。
世界史は暗記量が多く、耳慣れない用語も多いため、大変だと思われがちですが、個人的にはドラマのある大きな物語のようで流れを理解できた時の喜びも、また格別な科目だと思っています。

最後までお読みいただきありがとうございました。このコラムがみなさんの世界史の学習の一助になれば幸いです。