勉強はどれくらいのカロリーを消費する?

長時間勉強を続けていると、座っていただけなのにやたら疲労を感じることがあるかと思います。

これは勉強をすることで脳が多くのエネルギーを消費し、そのために感じる疲労感ということになります。

では、勉強をすることで消費するエネルギーはどの程度のものなのか。また、消費したエネルギーを補給するにはどのようにすればよいか、まとめていきましょう。

勉強をすると脳がカロリーを消費する

カロリーを消費するというと、体を動かす必要があると思われがちですが、体を動かさずに脳を動かしてもカロリーを消費します。

むしろ脳はカロリー消費の激しい臓器と言われており、座ったまま体を動かさない状態でも、勉強を続けることでカロリーを消費し、疲労感を感じるようになります。

脳のカロリー消費という点に限って見ると、暗記や書き取りといった勉強よりも、数学などの計算問題の方がカロリー消費は激しくなります。

「考える」ことで消費カロリー増加

脳が活動すると、カロリーを消費します。つまり同じ勉強でも、より脳を活発に活動させる勉強の方がカロリー消費は激しくなります。

分かりやすく言えば、より考えることが多い勉強法ほどカロリー消費は激しいということに。
暗記や書き取りなどは、どちらかといえば頭に詰め込む、覚えるというだけの単純な作業です。

一方、計算問題や論文作成などは、いろいろなことを考える必要があります。

こういった考える勉強ほど脳のカロリー消費が激しく、つまり疲れやすいということになります。

勉強で脳が消費するカロリー量は?

勉強で脳がカロリーを消費し、そのせいで疲労感を感じるのは間違いありませんが、実際にどの程度のカロリーを消費するものかを紹介しておきましょう。

上でも触れた通り、勉強内容によっても消費するカロリーは変わりますし、勉強の難易度、年齢、性別、体格によっても変わりますので、一概にまとめるのは難しいところですが、おおよそ1時間の勉強で100kcal程度消費すると言われています。

運動や食事に換算すると?

参考までに、100kcalを摂取する、消費する目安をご紹介しておきましょう。

100kcalを消費する運動
散歩 30分程度
自転車 20分程度
ジョギング 10分程度
水泳 5分程度
100kcalを摂取する食事
白米 茶碗半分程度
食パン 6枚切り 2/3程度
カップ麺 1/3程度
目玉焼き 1玉分

仮に1日3時間勉強をすると、ジョギングに換算して30分程度のカロリーを摂取することになりますし、そのカロリーはカップ麺1個分になります。

毎日一定時間勉強を続けていると、かなりのカロリー消費になることがわかります。

勉強によるカロリー消費はダイエットに有効?

勉強でも一定以上のカロリーを消費するのであれば、勉強をすることでダイエットが可能なのでしょうか。

勉強がダイエットに直結するのであれば、ダイエットをしながら知識を増やす、学力を上げることも可能ということになります。

脳がカロリーを消費するなら痩せる?

勉強によって脳がカロリーを使うということは、毎日勉強を続ければダイエットも期待できるのでしょうか?

結論から言うと、脳のカロリー消費でダイエット効果までは期待できません。これは脳の基礎代謝や、脳の活動を支えるエネルギーに理由がありますが、これらの理由に関しては後に詳しく解説します。

勉強がダイエットに向かない理由

そもそも脳のカロリー消費がダイエットに直結しない大きな理由は、脳のエネルギーとなる物質にあります。

人間は運動をするとエネルギーを消費します。運動のエネルギーは、体内にある脂肪を燃焼させることで補充されますが、脳のエネルギーは脂肪の燃焼では補充できません。

つまり勉強でいくら脳を活性化させカロリーを消費しても、体内の脂肪は燃焼されません。

つまり脳を動かしても、ダイエット効果はないということになります。

勉強でのダイエットは別の効果も

ただし、勉強に一切ダイエット効果がないかというとそうでもありません。勉強によるダイエット効果は、やはり脳の働きと直結しています。

勉強で脳を使うと、脳は多くの酸素を欲するため、脳内の血流量が増えます。脳に血液が集中すると、空腹感を司る「満腹中枢」の活動が鈍化します。

結果、脳が空腹を感じることがなくなり、食事を摂取する回数や量が減ることになります。

何かに集中していると、空腹を感じず、その作業が完了すると急に空腹感を感じるのはこの血流のせいです。

確かにダイエット効果はありますが、単純に摂取カロリーを減らすだけですので、長く続けるような方法ではありませんのでご注意ください。

脳は非常に燃費の悪い臓器

では、脳の簡単な仕組みについて解説していきます。まず覚えておいていただきたいのが、脳というのは人間の臓器の中でも非常に燃費の悪い臓器と言われています。その理由をいくつか紹介していきましょう。

脳の基礎代謝量は?

脳の燃費の悪さを知るために、まずは基礎代謝量を見ていきましょう。基礎代謝量とは、人間が生きていくうえで、最低限消費するカロリーです。

臓器の動きや呼吸による運動などで消費するカロリーと考えればいいでしょう。

この基礎代謝の中で、脳の基礎代謝が占める割合は約25%。つまり人間の基礎代謝の1/4ほどは脳の消費カロリーということになります。

日本医師会の発表している数値を参考に、年齢と性別による基礎代謝量の違いをご紹介しましょう。

年齢 1日の基礎代謝量
男性 女性
12~14歳 1,520kcal 1,410kcal
15~17歳 1,610kcal 1,310kcal
18~29歳 1,520kcal 1,110kcal
30~49歳 1,530kcal 1,150kcal

この基礎代謝の中で、脳の基礎代謝は、18歳男性の場合で1日約380kcal、17歳女性で1日約328kcalということになります。

たとえ1日中寝ていても、脳はこれだけのカロリーを消費します。そう考えると、勉強によるカロリー消費はさして大きなものではないということがわかるでしょう。

脳のエネルギー源は糖分のみ

人間の臓器は、それぞれいろいろな栄養素からエネルギーを得て活動しています。そんな中、脳がエネルギー源とすることができるのは「糖分」のみです。

上で体内の脂肪を燃焼させても脳のエネルギーにはならないと書きましたが、これが理由です。脂肪分を燃焼させても糖分にはならないため、ダイエットには直結しないということになります。

エネルギー源が限定的であり、しかも大量に消費することから、脳は燃費の悪い臓器と言われているのです。

脳のエネルギー補給には注意が必要

脳のエネルギー源は糖分のみです。脳が消費したエネルギーを補充するには糖分を摂取する必要があります。

将棋の中継などで、対局中に棋士がチョコレートなどの糖分を摂取しているのは、脳のエネルギー補充のためです。

しかし糖分は過剰に摂取すると、体調に大きなマイナスを与える可能性もあります。脳のエネルギー補給には注意が必要ということになります。

糖分の過剰摂取は成人病の原因にも

糖分の過剰摂取は成人病のリスクを高め、免疫力低下、胃腸の不調、体重の増加などマイナス面の影響も多くあります。

頭が疲れているからと言って、どんどん糖分を摂取するのはリスクもある行為となりますので覚えておきましょう。

糖分と同時にビタミンB1の補給も重要

脳のエネルギー補給のために糖分を摂取することは間違いではありません。そこで同時に摂取したいのがビタミンB1です。

糖分を体内でエネルギーに変換するにはビタミンB1が必要です。

糖分と同時にビタミンB1を摂取することで、効率よく糖分をエネルギーに変換できるようになります。

バランスの良い食事が理想

脳が疲れているからといって糖分のみを過剰に摂取するのは、体にもリスクの高い行為です。

理想は毎日規則正しく三食の食事を摂り、その食事の中で必要な糖分をビタミンB1とともに摂取することになります。

間食は控え目に3食からエネルギー補給

とはいえ、勉強をしているときに、体が甘いものを欲することはあります。これは脳がエネルギー不足を訴え、糖分を欲している信号です。

基本的なエネルギー源は三食の食事から摂取することが理想ですが、体が欲している以上、間食からも糖分を摂取することは悪いことではありません。

ただし、間食も度が過ぎればマイナスです。あくまでも過剰摂取とならないように、注意しながら摂取するようにしましょう。

間食は適度に

間食が多すぎると、メインとなるはずの三食の摂取量が低下し、次の食事までの間に空腹感を感じて再び間食をしてしまうという悪循環に陥りかねません。

間食は適度に、満腹にならないようなイメージで摂取するように心がけましょう。

まとめ

体を動かさなくても、勉強により脳を動かすことで体はカロリーを消費します。

脳は燃費の悪い臓器と言われ、個人差はありますが1時間の勉強で約100kcalのカロリーを消費します。

100kcalは30分間のウォーキング程度のカロリー消費となりますが、脳が消費したカロリーは糖分でしか補給できないので、ダイエットには向きません。

脳のために糖分を補給するのは、毎日三度の食事から摂取するのが理想。

それでも足りずに、体が甘いものを欲するときは、三食に差し障りがない範囲で適度に間食で摂取しましょう。

糖分を意識的に摂取する場合は、同時にビタミンB1を摂取するのがおすすめ。ビタミンB1は糖分をエネルギーに変換するために必要な栄養素となります。

普段からバランスの良い食事を摂り、勉強で消費したカロリーも食事から摂取できるように工夫しましょう。

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