評論で新タイプの出題形式があり、小説は現代女流作家の作品、古文は歌論、漢文は歴史書からの出題。

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第1問の解説はコチラ

有元典文・岡部大介『デザインド・リアリティ―集合的達成の心理学』からの出題。2017年度に比べて文章量はさらに増え、80分4問の制約があるなかで、この分量を処理するのはハードであり、読解力を測る試験というより日本語の「速読力」を測る試験になり果てているという従前からの批判は免れるものではないだろう。また、問3は、本文を読んだあとに架空の四人の生徒の間でなされた議論を整合的に構成するという新しいタイプの出題形式であったが、基本的には本文中の具体例がどのような趣旨で持ち出されていたかを理解するという正統的な問題で、加えて議論における前後の発言の流れを意識すれば簡単に正解が出せる問題であった。ただ、この出題形式は、「設問において一定の条件を設定し、それを踏まえ結論や結論に到るプロセス等を解答させる条件付き記述式とし、特に『論理(情報と情報の関係性)の吟味・構築』や『情報を編集して文章にまとめること』に関わる能力の評価を重視する」という、センター試験に代わる「大学入学共通テスト」の国語の方向性が垣間見えるという点で注目に値するだろう。

問われている内容を本文から探す作業は比較的簡単であり、同様の設問で記述式の試験であれば解きやすい問題になったであろうが、問4など、素直に選択肢が作られていないために絞りにくい設問もあり、その点で「やや難」と判断した。

 

 

第2問の解説はコチラ
井上荒野「キュウリいろいろ」の一節からの出題。描かれている人物や時代背景について、特に注意すべき点もなく、受験生にとって比較的読みやすい文章だったのではないだろうか。自分の行動や身の回りの出来事をきっかけに、郁子がどのような心情を抱いたのかに注目して読み進めるとよいだろう。

設問の難易度としては、例年通りの難易度であったといえる。問1は、2017年度と同様、辞書的な意味に適合するものを選べば解答が決定するような問題だった。問2の理由説明問題は、明確な根拠を本文から見つけ出すのが困難であったため、ここで出鼻をくじかれた受験生も多かったかもしれないが、あわてることなく、「本文に明確な根拠のある選択肢を選ぶ」という基本に立ち返って問3以降の問題に取り掛かることが重要であった。

 

 

第3問の解説はコチラ

本居宣長『石上私淑言』からの出題。本試験で歌論が出題されるのは2002年以来16年ぶりである。問答体という形式になじみのない受験生も多かったかもしれないが、本文には特に難しい単語もなく、内容を把握するのは容易であった。全体的に選択肢と本文の対応し箇所がわかりやすい設問が多かったので、きちんと本文を読めていれば、迷いなく正しい選択肢を選べただろう。ただし、問一(ア)については、単語の辞書的な意味にとらわれると間違えてしまうおそれがあるので注意が必要であった。

 

 

第4問の解説はコチラ

李燾『続資治通鑑長編』からの出題。『続資治通鑑長編』は南宋の李燾が著した編年体の歴史書。北宋時代の出来事が詳細に書かれている。

難易度は昨年より易化した。寇準と王嘉祐の会話が中心であり、文章の内容自体の読解は難しくなかったと思われる。嘉祐が、寇準が宰相になることに反対する立場であることとその理由を読み取ることが最大のポイントであった。出題の傾向は例年とほぼ同じであった。