第1問 結合/電子式/面心立方格子/分子の運動/物質の状態変化/気体の圧力/凝固点降下
前半は容易な問題が多く、しっかり正解したい。しかし、後半の2問は丁寧に解くことが求められる。問3は一見変わった問題だが、グラフを正しく読み解くことで正解できるであろう。
例年に比べ、一つ一つの問題文が長いので、問題文から必要な情報を拾う力が必要になり、時間がかかってしまった受験生もいると思われる。

第2問 熱化学/反応速度/緩衝液/電気分解/酸化還元
第2問では、熱化学、反応速度、化学平衡、電気分解、酸化還元が出題された。注意力を要する問題が多く、高得点をとることは難しい大問であったかもしれない。だが、大学受験において、注意力は学力と同様に重要である。今回注意力不足により失点してしまった受験生は私大や国公立二次試験に向けて克服していこう。問1はエネルギー図を書いて問題を整理できるかがポイントとなった。N-H結合を1つではなく全て切るエネルギーを解答することに注意したい。問4は答えが全て正で不安になった受験生も多いと思われるが、今までの勉強を信じ、自信をもって解答してほしい。また、問7では、硫化水素と二酸化硫黄の反応比が2:1であることに注意しよう。

第3問 身近な無機物質/遷移元素/気体/合金の分析/塩素/イオン化傾向
第3問は例年通り、無機化学からの出題である。昨年に比べ、解答数は1個減少したが、問1、問2で問われている知識が非晶質や排ガスの貴金属触媒による処理の話題などやや高度なものになっており、かつ計算問題が2問出題されているため難易度は上昇していると考えられる。計算問題をいかにスムーズに処理できたかが鍵であった。

第4問 炭化水素/構造異性体/カップリング反応/置換反応/セッケン
第4問は例年通り有機化学からの出題であった。問われている知識はセンターでよく出題されるものが多かったため解答数は多いものの、難易度は低かった。構造決定問題が出題されず、知識だけで解ける問題が多いので時間もそれほどかからない問題構成だったと言える。

第5問 高分子化合物
合成高分子についての問題。どちらも、計算がなく基本的な知識を直接問われた。他の大問に比べて難易度は低いので、短時間でしっかり正解を出して他の問題に時間をかけたい。

第6問 合成高分子/ポリ乳酸
第6問と第7問のいずれか1問を選ぶ問題であった。第6問は高分子化合物とポリ乳酸についての問題が出された。問1,2ともに少し目新しい問題であったが、基本的な知識があれば計算も容易で難なく解けただろう。第5問同様、問題数が少なく難易度も他と比べて低いので、手早く完答したい。

第7問 ジペプチド/糖
第7問は、ペプチドと糖について問われた。問1は少し目新しい問題であったが、アミノ酸についての基礎知識があれば難なく正解できただろう。問2は、しっかり問題文を読めば計算も容易ですぐに答えが求まっただろう。第5,6問と同様に短時間で完答したい問題であった。

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ヨウ素の固体は分子結晶であり、昇華しやすい。 ① 黒鉛は1つの炭素原子が3つの炭素原子に結合した、共有結合でできた結晶である。 ② ケイ素はSiO2で表される共有結合の結晶であり、正四面体構造を持つ。 ③ ミョウバンはAlK(SO4)2・12H2Oで表される復塩であり、イオン結晶である。 ④ ヨウ素は共有結合によりI2分子となり、I2分子同士が分子間力により分子結晶となる。 ⑤ 白金は金属の単体であるから、金属結晶である。  b  2  正解は③ 解説 価電子の数がHは1個、 Cは4個、 Nは5個、 Oは6個であることから、それぞれの電子式は次のようになる。 ①塩化水素            ②アンモニア      ③二酸化炭素 

面心立方格子の結晶構造のうち、問題の図1の上面を考えると、以下のようである。   点線の対角線の長さを2通りで表して、 4r=√2 a よってa=2√2rとなり、答えは②である。  問3  4  正解は⑥ 解説 問題文のグラフより、全体として分子の速さが大きいのは、T2の時である。よって、T2の時の方が分子の速さの平均が大きいことが分かるので、T1<T2である。変形しない密閉容器中では、分子の速さが大きいほど壁と壁の間を素早く進む。よって衝突する回数は分子の速さが大きいほど多くなる。これらより、温度T1からT2へ温度を上げたとき、分子の速さが速くなることで1分子が壁に衝突する際、壁に与える運動量が増え、かつ単位時間当たり壁に衝突する回数が増加するので、容器内の圧力が大きくなる。  問4  まずA,B,Cを特定する。圧力がかなり低いときAであることより、Aは気体である。また、圧力がある程度高いとき、温度を上げるとBからCに変化することより、Bは固体、Cは液体である。

温度が一定のとき、AからCに変化させるには、三重点より温度が高い環境で状態Aから圧力を上げる必要がある。よってTTより高い温度で、圧力を高くする必要がある。  b  6  正解は③ 解説 同様に、圧力一定のとき、AからCに変化させるには、三重点よりも圧力が高い環境で状態Aから温度を下げる必要がある。よってPTより高い圧力で温度を低くする必要がある。  問5  7  正解は⑥ 解説 初期状態を状態1、体積を半分にした状態を状態2とする。また、水と窒素の分圧をそれぞれP_(H_2 O)、〖P_N〗_2とする。 状態1,2ともに27℃で、液体の水が常に存在していたことより、水の蒸気圧はP_(H_2 O)=3.60×103Paである。 よって状態1での窒素の分圧は、〖P_N〗_2=4.50×104―3.60×103=4.14×104Paである。 ここで、状態1,2では窒素の物質量・温度が一定であることより、体積が半分になったとき窒素の分圧は2倍になる。 ゆえに状態2での窒素の分圧は、〖P_N〗_2=4.14×104×2=8.28×104Pa。これと水の蒸気圧がP_(H_2 O)=3.60×103Paで変わらないことより、求める圧力は、8.28×104+3.60×103=8.64×104Paである。  問6  8  正解は② 解説 まず、非電解質の化合物の質量モル濃度をc[mol/kg]とすると、溶媒が10[mL]であることに注意して、 c=(x[g])/(M[g/mol])×(1000[g/kg])/(10d[g])=100x/Md  ([mol)⁄(kg]) である。 Δt = cKfを用いると凝固点降下Δtは次のように表すことができる。 △t=cK_f=(100xK_f)/Md よって、溶媒の密度は次のようになる。 d=(100xK_f)/(M△t)[g⁄(cm^3])

熱化学方程式において反応熱を求める方法は3つある。 ・(反応熱)=(生成物の生成熱の合計)-(反応物の生成熱の合計)…(ⅰ) ・(反応熱)=(生成物の結合エネルギーの合計)-(反応物の結合エネルギーの合計)…(ⅱ) ・(反応熱)=(反応物の燃焼熱の合計)-(生成物の燃焼熱の合計)…(ⅲ) 上に示した3つの式を、エネルギー図を用いて理解してもらいたい。この問題では、(ⅱ)の式を用いる。N-H結合を全て切るのに必要なエネルギーをx kJ/molとすると、エネルギー図は以下のようになる。

ここで、3/2H2の結合エネルギーは、H-Hの結合エネルギーが436kJであることより、3/2×436 = 654kJ であり、同様に1/2N2の結合エネルギーは、1/2×945 = 472.5kJである。 したがって、 x=436×3/2+945×1/2+46=1172.4kJ である。 以上より正解は④。  問2   2  正解は③ 解説 ①正 正反応の反応熱は正なので、正反応は発熱反応である。 ②正 ルシャトリエの原理より、加熱すると平衡は吸熱方向に進む。 ③誤 ルシャトリエの原理より、体積を減らすと分子数が少なくなる方向に平衡が進む。 ④正 ルシャトリエの原理より、NO2の濃度が増えると平衡がNO2の濃度を減らす方向つまり、N2O4の濃度が増加する方向へ進む。 ⑤正 平衡状態とは、正反応と逆反応の反応速度が等しい状態である。  問3 a   3  正解は⑤ 解説 過酸化水素の分解反応の反応式は、2H2O2→2H2O+O2 図2より、過酸化水素が完全に分解したときに発生した酸素の物質量は0.05molなので、分解された過酸化水素の物質量2×0.05=0.1molであるから、混合する前の過酸化水素水の濃度は0.1÷100/1000=1.0mol/Lである。  b   4  正解は③ 解説 図1より、最初の20秒間に発生した酸素は0.004mol。したがって、最初の20秒間に分解した過酸化水素は 2×0.004=0.008mol. である。 これにより、最初の20秒間の混合溶液中の過酸化水素の平均分解速度[mol/(L・s)]は 0.008÷200/1000÷20=2.0×10-3mol/(L・s) とわかる。  問4   5  正解は①

a 正 酢酸ナトリウムは電解質なので、酢酸ナトリウムは水溶液中でほぼ全て電離している。 b 正 酢酸は電離度が小さいので、酢酸はほとんど電離していない。 よって、混合水溶液中の酢酸分子の物質量は0.1×100/1000molと近似できる。 また、酢酸イオンの分子量は、aにあったように酢酸ナトリウムがほぼすべて電離しているから、0.1×100/1000molと近似できる。 したがって、酢酸分子と酢酸イオンの分子量はほぼ等しい。 c 正 少量の酸や塩基を加えてもpHがほぼ一定に保たれる性質を緩衝作用と言い、緩衝作用をもつ溶液を緩衝液と言う。  問5   6  正解は④ 解説 塩化ナトリウム水溶液の電気分解に関する問題である。塩化ナトリウム水溶液の電気分解は水酸化ナトリウムの生成に用いられる。 陽極で起こる反応の半反応式は2Cl-→Cl2+2e- であるから、陽極で発生する気体は塩素である。 陰極で起こる反応の半反応式は2H2O+2e-→2OH-+H2 であるから、陰極で発生する気体は水素である。 陽イオン交換膜を通過するイオンは陽イオンなので、ナトリウムイオンである。 したがって正解は④。  問6   7  正解は② 解説 ア 二酸化硫黄は還元剤として用いられることが多いが、硫化水素と反応するときは酸化剤として働く。二酸化硫黄と硫化水素の反応の反応式はSO2+2H2S→3S+2H2Oである。実際に酸化数を調べ、二酸化硫黄が酸化剤であるか還元剤であるか調べてもよいだろう。 イ 硫化水素水溶液中の硫化水素の物質量は0.010×200/1000=2.0×10-3mol 二酸化硫黄の物質量は、標準状態において気体1molは22.4Lであることを用いると0.014÷22.4=6.25×10-4mol よって、残った硫化水素の物質量は、硫化水素と二酸化硫黄の反応比が2:1であることに注意すると 2.0×10-3-2×6.25×10-4=7.5×10-4mol である。

①誤 鉛の酸化数は0~+4の値をとりうる。例えば、鉛蓄電池に使われるPbO2の鉛の酸化数は+4である。 ②正 粘土は陶磁器やセメントの原料として用いられる。 ③正 ソーダ石灰ガラスはガラスの一種で、現在最も多く用いられている。アモルフォスの応用例がガラスである。 ④正 ファインセラミックスは、高純度の原料を精密に制御した条件で焼き固めたものである。 ⑤正 銅のさびには主に空気中の酸素と化合した赤さび、空気中の水や二酸化炭素などが反応してできる緑青、空気中で強く熱して酸化させた黒さびの3種類がある。 ⑥誤 次亜塩素酸塩は殺菌剤などに使用されるが、還元作用ではなく、強い酸化作用を持つ。 ⑦正 硫酸バリウムは水に不溶なため、胃や腸のX線撮影などに用いられる。  問2  3  正解は② 解説 ①正 ベンゼンに鉄粉を触媒として塩素を作用させると、置換反応によりクロロベンゼンが得られる。 ②誤 ハーバーボッシュ法では、窒素と水素を高圧高温で反応させることでアンモニアを生成する。 ③正 これは接触法と呼ばれる硫酸の製法である。酸化バナジウム(Ⅴ)を触媒として二酸化硫黄を酸化して三酸化硫黄とし、これを濃硫酸に吸収させて発煙硫酸とし、これを希硫酸で薄めることで濃硫酸となる。 ④正 オストワルト法は以下の手順で硝酸を得る、硝酸の工業的製法である。アンモニアを白金触媒で酸化して、一酸化窒素を得る。その一酸化窒素を空気中の酸素と反応させて二酸化窒素を得る。この二酸化窒素を水と反応させることで硝酸が生成される。 ⑤正 排ガス中の主な有害成分は炭化水素、一酸化炭素、窒素酸化物である。ロジウム、パラジウム、白金を含む触媒により、炭化水素、一酸化炭素は酸化されて二酸化炭素と水になり、窒素酸化物は還元されて窒素に変化する。

AがCに不溶で、BがCに溶ける、あるいは反応する必要がある。 ①正 一酸化炭素は水に不溶で、塩化水素は可溶。 ②正 酸素は石灰水に不溶で、二酸化炭素は反応して溶液が白濁する。 ③正 窒素は水酸化ナトリウム水溶液に不溶で、二酸化硫黄は水酸化ナトリウムと中和反応をする。 ④正 塩素は濃硫酸には不溶で、水蒸気は濃硫酸の吸湿性により吸収される。 ⑤誤 二酸化窒素、一酸化窒素ともに水に不溶である。  問4  5  正解は⑦ 解説 酸性条件で過剰の硫化水素を通じる場合、硫化亜鉛は溶けたままであるため、沈殿は全て硫化銅(Ⅱ)である。硫化銅(Ⅱ)の分子量は96であるから、沈殿の物質量は19.2÷96=0.2[mol]であり、よって黄銅20.0g中の銅は0.2×64=12.8[g]。以上より、銅の含有率は 12.8/20×100=64% である。  問5  6  正解は② 解説 酸化マンガン(Ⅳ)、塩化水素の半反応式は MnO2+4H++2e-→Mn2++2H2O 2HCl→Cl2+2H++2e- であるから、この酸化還元反応のイオン反応式は、 MnO2+2H++2HCl→Mn2++2H2O+ Cl2である。 この反応で生じる無極性分子の気体は塩素Cl2のみである。 酸化マンガン(Ⅳ)ははじめ1.74g÷87g/mol=0.02mol存在し、酸化マンガン(Ⅳ) 1molあたり塩化水素HClは1mol発生するので、求める体積は、22.4L/mol×0.02mol=0.448≒0.45Lとなる。  問6  7  正解は⑥ 解説 金属Dの方が金属Eよりもイオン化傾向が大きいとき、金属Dの方がイオンになりやすく電子を放出しやすいので、金属板Eから金属板Dに電流が流れる。このことより、表1からイオン化傾向の大きさは、C>A>Bである。ここで、銅・マグネシウム・亜鉛のイオン化傾向の大きさの順番は、マグネシウム>亜鉛>銅であるから、Aは亜鉛、Bは銅、Cはマグネシウムとわかる。以上より、答えは⑥である。

①誤 エチレンは水と付加してエタノールとなるが、アセチレンはケト-エノール反応によってアセトアルデヒドとなる。 ②正 重合すると、エチレンはポリエチレン、アセチレンはポリアセチレンとなる。 ③正 触媒にはNi , Ptの微粉末が用いられる。 ④正 二重結合、三重結合は同一平面上に原子が配置される。 ⑤正 エチレン、アセチレンは無極性分子であるため水に溶けにくいので水上置換で捕集可能である。  問2  2  正解は④ 解説 まず、還元作用を示す一価のカルボン酸Bはギ酸のみである。よってアルコールCはブタノールと分かる。構造異性体は以下の図の①~④にOHがつく4通り。   問3  この問題はアゾ化合物のカップリング反応をベンゼンからたどっていくものであり、基礎的な芳香族化合物の反応をもれなく理解していることが重要である。化合物B側の反応はフェノールの生成、化合物D側の反応はジアゾ化なので、よく復習しておこう。 化合物A  3  正解は③ 解説

この反応はベンゼンのスルホン化であるので、化合物Aはベンゼンスルホン酸。  化合物B  4  正解は① 解説 この反応はベンゼンスルホン酸を水酸化ナトリウムでベンゼンスルホン酸ナトリウムにした後、アルカリ融解することによってナトリウムフェノキシドを生成する。  化合物C  5  正解は⑦ 解説 ベンゼンに混酸(濃硫酸+濃硝酸)を混ぜることでニトロベンゼンを生成する。このような反応をニトロ化という。  化合物D  6  正解は⑧ 解説 アニリンを希塩酸に溶かして氷冷したものに、亜硝酸ナトリウムを加えると、塩化ベンゼンジアゾニウムが得られる。このような反応をジアゾ化という。この実験を低温で行わなかった場合、ベンゼンジアゾニウムイオンが不安定であるために加水分解によってフェノールとなることもおさえておきたい。  問4  7  正解は③ 解説 アルカンは塩素や臭素などのハロゲンとは光を当てると反応し、アルカンの水素原子と塩素原子が入れ替わる置換反応が起きる。問題ではまず化合物Aの組成式を求める。CO2とH2Oの数値より、 C∶H=352/44 ∶  126/18×2=4∶7 である。Cの数は4個とわかっているから、Hの数は7個である。よってブタンC4H10からHが3個置換され、Clが3個ついていることがわかる。 したがって正解は③。  問5 a  8  正解は⑥ 解説 まず油脂に水酸化ナトリウム水溶液を加えることでけん化され、脂肪酸ナトリウムとグリセリンに分けられる。脂肪酸ナトリウムは、分子が大きくコロイド溶液になっていて、他の有機物質のコロイドと同様にこ

れも親水コロイドである。よって電解質を多量に加えれば塩析する。  b  9  正解は⑤ 解説 まず、試験管アについて考える。ここには実験Ⅰで得られたセッケンが入れられているが、セッケンはCa2+やMg2+などと反応して水に不溶な物質(金属セッケン)となり沈殿する。よって水溶液は白濁する。 試験管イに含まれる硫酸ドデシルナトリウムは合成セッケンでありCa2+やMg2+中でもその機能を失わない。よって均一な溶液となる。  第5問  出題分野	高分子化合物 難易度	★☆☆☆☆ 所要時間	3分 講評	合成高分子についての問題。どちらも、計算がなく基本的な知識を直接問われた。他の大問に比べて難易度は低いので、短時間でしっかり正解を出して他の問題に時間をかけたい。  問1  1  正解は① 解説 各高分子化合物の重合の種類についての問題。 ① ナイロン6はε-カプロラクタムに水を加え開環重合させて得る。この反応式は以下の通りであり、脱水を伴わない。   ② 尿素樹脂は、尿素とホルムアルデヒドを付加縮合させて得られる。この反応式は以下の通りであり、脱水を伴う。

③ デンプンは、α-グルコースがグリコシド結合により多数結合したものである。グリコシド結合は、脱水を伴う。デンプンからグルコースが生成する反応式は以下の通り。 nC6H12O6→-[C6H10O5]-n+nH2O ④ ポリエチレンテレフタラートは、テレフタル酸とエチレングリコールを脱水縮合して得られる。この反応式は以下の通り。    問2  2  正解は② 解説 ①正 2種類以上の単量体を混合させて重合することを共重合といい、それによって生成したポリマーを共重合体という。共重合体の代表例として、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)があげられる。 ②誤 合成高分子は、重合度や単量体の種類の比が異なる分子の集合体として得られる。分子量が異なるこれらの分子すべてに関して、分子量の平均をとったものが平均分子量である。平均分子量にはいくつかの計算方法があるが、いずれも一部の分子のみに注目するものではないので、選択肢は誤り。 ③正 デンプンやタンパク質などの高分子化合物は分子1個だけでコロイド粒子の大きさをもつ。水に溶かすだけでコロイド溶液となり、このようなコロイドを分子コロイドという。 ④正 DNAを構成する塩基には、アデニン、グアニン、チミン、シトシンの4つがあり、RNAを構成する塩基にはアデニン、グアニン、ウラシル、シトシンの4つがある。よって、この2つに共通する塩基は、アデニン、グアニン、シトシンの3種類である。

二重結合をもつ単量体を重合させると、その二重結合が開いて単結合になり直鎖上に結合して多数の単量体が直鎖上につながる。すなわち、付加重合する。二重結合をもっていた炭素原子どうしが付加重合後は単結合でつながるわけであるが、①、②、④はこれにあてはまる。しかし、③の重合体は単量体で二重結合をもつ炭素原子どうしが単結合でつながったものではないため誤り。③の単量体を付加重合させた重合体は下図の通りになる。   問2  2  正解は③ 解説 乳酸は水と二酸化炭素に分解されると問題文に書かれているが、繰り返し単位中に炭素原子は3個含まれているので、1molのポリ乳酸の繰り返し単位から3molの二酸化炭素が発生する。ポリ乳酸の末端は無視できるので、ポリ乳酸6.0gから二酸化炭素は、6/72×3=0.25mol発生する。標準状態で1molの気体の体積は22.4Lなので、求める体積は、22.4×0.25=5.6Lとなる。 第7問 アミノ酸が2つつながったものをジペプチドというが、アミノ酸の電気泳動と同様にこの場合も、アミノ基とカルボキシ基の個数に注目して、そのpH下でどのように電離しているかを考えればよい。pH6.0、すなわち溶液がほぼ中性であればアミノ基はNH3+になり、カルボキシ基はCOO-になっているとみなせる。ジペプチドAはアミノ基を2つ、カルボキシ基を1つ含んでいるのでpH6.0の下では全体として正になっているとみなせる。ジペプチドBはアミノ基を2つ、カルボキシ基を2つ含んでいるので全体としては電気的に中性であるとみなせる。ジペプチドCはアミノ基を1つ、カルボキシ基を2つ含んでいるので全

体としては負になっているとみなせる。電気泳動では、正のものは陰極に、負のものは陰極に移動する。従って、陰極側へ移動したのはA、ほとんど移動しなかったのはB、陽極側へ移動したのはCである。  問2  2  正解は③ 解説 マルトースは、α-グルコース2分子が1位と4位のヒドロキシ間で脱水した二糖類である。よって、マルトースを希酸や酵素マルターゼで加水分解するとα-グルコースが2分子得られる。よって単糖Aとはα-グルコースのことであり、α-グルコースは、鎖状構造になると還元性を示すアルデヒド基をもつヘミアセタール構造をもっているので還元性を示す。フェーリング液に含まれているCu2+が還元されてCu2Oが生成する。これを知らなくても、問題文に、Aとフェーリング液を反応させるとA1molあたりCu2O1molの赤色沈殿が生じるとあるので、Cu2Oの式量は64×2+16=144であることから、Cu2Oが14.4g沈殿したとき反応した単糖Aは14.4/144=0.1molであるとわかる。したがって、もとのマルトースの質量は、 0.1×1/2×342=17.1gとなる。