進学選択について

はじめに

東大には進学選択制度というものがあります。多くの大学では入学試験の段階で所属学科が決定されますが、東大の場合、この進学選択制度によって、大学二年生の夏ごろに正式な所属学科が決定します。専攻分野に悩む受験生には魅力的な制度であり、これを理由に東大を志望する方も多くいらっしゃいます。(筆者本人もそうだったりします。)

進学選択の流れ

東大は学期をターム・セメスター制によって区別します。入学時に学生は全員前期教養学部に配属され、2年の夏休みに進学選択が行われます。進学選択は2Sセメスター(=2年夏学期)までの成績評価(=点数)を基に決定し、第1段階~第3段階に分けて行われます。

内定が決まらない人は次の段階に進みます。夏休みが明けて2Aセメスター(=2年秋学期)からは正式な所属学科に内定が決まり、より専門性の高い授業(=専門科目)が始まります。例外として法学部では2Sセメスターから専門科目があり、法学部を志望する学生は内定前からこれらの授業を履修・単位取得をする必要があります。また、学部によっては要求科目と言って、前期課程修了時までに単位の取得を求められる場合があります。

進学選択と科類

受験生は受験する際に志望科類を選択します。各学部はその専門性に応じて、受け入れたい科類の学生枠を用意している場合が多いです(下図参照)。自身の所属する科類の枠が存在しない学科を志望する場合、枠のある科類よりも高い点数を要求されます。

また、進学選択の段階によってはそもそも志望を受け付けない科類が存在する場合があります。教養学部・教育学部については科類枠を設けていないため、どの学部からも同じ水準で学生を受け入れます。

点数評価について

前期課程の授業には基礎科目、総合科目が存在し、これらの科目で取得した点数から算出される基本平均点、もしくは学科別の独自の算出方法による平均点(=指定平均点)を基に進学選択が行われます。これら二つの科目以外に、点数評価をせず、合否のみで成績を評価する主題科目が存在しますが、学科によってはその合否が平均点に影響することもあるようです。

基本平均点の算出について

基本平均点の算出は「各科目の(評点×単位数×重率)の総計」÷「各科目の(単位数×重率)の総計」で求められます。同一科目を複数履修した場合、低いほうの点数の科目は重率0.1、高いほうの点数の科目は重率1で算入されるのですが、これは「追い出し」と呼ばれ、基本平均点を上げる作戦としてしばしば用いられます。

進学選択のメリット

前期教養に所属している段階で様々な分野からの教授の授業を受けることが可能です(主に総合科目、主題科目)。授業の中で、その分野の研究に携わる人の話を聞くことで、専攻分野に対するイメージがより具体的になったり、新たな分野を知ったりできます。

進学選択のデメリット

入学段階から正式な学部が決まっているわけではないので、専門的な授業の開始時期はほかの大学に比べて遅くなります。そのため、他大学の同分野の学生に比べて、専門課程が始まってからの授業や課題の内容が多くなる可能性があるかもしれません。

また、前期教養課程で、成績に固執するあまり授業がつまらなく感じるかもしれないというデメリットもあります。(はじめは点数を取るためにたくさん勉強したとしても、後々その学問を面白く感じるというパターンも十分に考えられます。)