国語【解説】2017年センター試験(本試験)速報 全訳つき

第1問 評論

センター試験の国語は、2016年度は本文・設問ともに易しく平均点も非常に高かったが、この2017年度は本文・設問ともに難易度が上がった。
第1問の評論は、小林傳司の『科学コミュニケーション』からの出題。
設問の中では、問4は正解の選択肢と誤った選択肢を峻別するのが難しいといえるかもしれない。
こうした設問で正解を出すためには、選択肢を要素分解的に捉えて、どの要素がその選択肢には含まれていて、どの要素が不足しているかを精査していくことが必要である。

第2問 小説

第2問では、100年以上前の近代小説から、現代の小説まで、幅広い分野から出題される。 近年の出題を振り返っても、バラエティ豊かな題材が選ばれていることがうかがえる。
2017年度は、100年以上前に発表された近代小説からの出題であった。
このような小説では、現代との時代背景の差異や、言葉遣いの違いに戸惑うことも多いが、本問は現代の私たちにとってもわかりやすい内容であり、本文の長さも110行程度と長くないことから、受験生にとっても取り組みやすい問題であったと思われる。
問1は、語句の辞書的な意味を覚えていればすぐに適切な選択肢を選べる問題であったが、逆に語句の意味がわからない場合、文脈から推測するのはなかなか難しかっただろう。
問2から問5の本文の内容理解を問う設問は、傍線部前後の内容を正しく把握することにより、十分に正答に至ることができる設問であった。
問六については、片方の選択肢は容易に選べるものの、もう一つの正答については本文にある根拠を見つけ出すのが難しく、最後まで迷った受験生も多かっただろう。
全体的には、例年の第2問と同程度の難易度であったと思われる。

第3問 古文

江戸時代の擬古物語宮部万作『木草物語』からの出題。
源氏物語の浄書に携わり、王朝文化の影響を受けた女流作家なだけあって、昨年出題された説話とは一転し、恋愛あり、主従関係あり、出家者ありという典型的な物語の文章であった。
主要登場人物が少なく、起承転結がはっきりしていたため、主語を正確に追っていれば完璧に内容が把握できただろう。
貴公子が出かけた先で女性を垣間見て恋に落ち、手紙でやり取りをするという、古文王道の場面だったことも理解しやすさに拍車をかけた。
文章量は昨年より少なく、単語も基本的なものを理解していれば大丈夫なので、例年と比べてもやや簡単である。
和歌も2首詠まれているが、難しい修辞法もなく、地の文と変わらぬ理解のしやすさである。

第4問 漢文

江戸時代の儒学者、新井白石の『白石先生遺文』からの出題。
珍しく日本人の文章からの出題であった。
文章の大意は、過去の物事を知ることの難しさを説き、未来の人々が白石の生きた時代の江戸について知る助けとなるよう『江関遺聞』を著したと述べて本文を結んでいる。
昨年より難化。
前半部の比喩を理解するのが難しいが、「刻舟求剣」の故事を知っていれば問題を解く手がかりになった。
一文一文が長く、文の構造に注意して丁寧に読み進める必要があり、読解に時間を要したと思われる。
出題の傾向は例年とほぼ同じだった。

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