東大生が受験生にすすめる本:『東大教師が新入生にすすめる本』

東大生が受験生にすすめる本

東京大学には東京大学出版会という独自の出版部があります。国内・海外を問わず、固有の大学出版会をもつ大学というのは数多くありますが、日本国内では1951年に組織された東京大学出版会がその最初のものになります。

東京大学出版会の刊行物のひとつに、『UP』という月刊のPR誌があります。東大の先生が書いた学問にかかわる短い文章を中心とする小さな冊子です。書評や連載エッセイなど興味深い文章が載ったおもしろい冊子なのですが、その『UP』の名物コーナーのひとつが、毎年四月に掲載される新入生のためのブックガイドです。

才能と向上心あふれる新たな新入生のために、毎年いく人かの教員が自信をもっておすすめの数冊を紹介する。そんな素敵なコーナーなのですが、小冊子『UP』じたい月刊の、しかも東大色の強い出版物ということもあり、学外の人間がアクセスするのはちょっと難しいところがあります。かくいう私も地元にいたころはその存在をまったく知りませんでした。

ですが、その過去の連載をまとめ、誰もが手に取りやすい形にした本が出版されています。それが次の4冊です。

 

『東大教師が新入生にすすめる本』(文藝春秋、2004年)

『東大教師が新入生にすすめる本2』(文藝春秋、2009年)

『ブックガイド 東大教師が新入生にすすめる本』(東京大学出版会、2012年)

『東大教師が新入生にすすめる本 2009-2015』(東京大学出版会、2016年)

 

最初の2冊は文春新書から出たもので、それぞれ1994年から2003年まで、2004年から2008年までのおすすめ本を載せています。うしろの2冊はどちらも東京大学出版会じしんが出したもの。『ブックガイド』はほかの3冊とは違い、過去におすすめされた本をいくつかのテーマに分けて再構成したものです。

「おすすめの本」を紹介したうえで、さらにそのおすすめの読み方の紹介です。すでに興味のある学問分野が決まっているひとは、その分野を専門にする先生のおすすめをたどってみてください。名前を知っている先生がいるというりっぱなひとは、もちろんその先生の書いた項を。興味の定まりどころが見つけられないひと、何にも関心をもてていないひとは、とりあえず手当たり次第にページを繰りましょう。「新入生に幅広い本を読んでほしい」という先生がたもいます。お堅い本からちょっとぎょっとする本、手ごわい古典に隠れた名著まで、読むべき本が必ず見つかることと思います。

大学生、それも(?)東京大学の学生にすすめられる本と考えると、ちょっとしり込みする気持ちもあるかもしれません。ですが、大学で勉強することを見つけるのに、「東大教師が新入生にすすめる本」たちを勝る素材はそうそうないと思うのです。じしんの興味を探り探り、ページをめくってほしい4冊です。