東大のキャンパスデザイン:広場を中心とした構造

みなさんは東大のキャンパスを訪れたことはあるでしょうか?東大には主に本郷・駒場・柏の3つのキャンパスがあり、特に赤門や安田講堂のある本郷キャンパスと、主に1、2年生が通う駒場キャンパスは有名です。今回はそんな本郷キャンパスと駒場キャンパスのデザインの特徴について見ていきたいと思います。

まず、本郷キャンパスと駒場キャンパスのキャンパスマップは以下のようになります。


(出典:https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400107409.jpg


(出典:https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400107416.jpg

両方のキャンパスのデザインに共通する特徴としてどんなものがあるでしょうか?注目すべきはキャンパスの入り口となる門と広場、メインの建物の関係です。本郷キャンパスでは、正門をくぐると正面に安田講堂が見え、さらに安田講堂の前には円形の広場があります。

同様に、赤門の正面には医学部2号館本館があり、その前に円形の広場があります。
駒場キャンパスでも、正門をくぐると正面に語学の殿堂と呼ばれる1号館があり、その前に円形の広場が広がっています。

このように、東大のキャンパスでは主要な門の正面にそのキャンパスのメインとなる建物が配置され、かつその建物の前には円形の広場が広がっています(キャンパス図をぱっと見るだけでわかるように、この特徴は駒場キャンパスに顕著です)。

さらに多くの場合、円形の広場の中心には大きな木が植えられており、門からその正面にある建物が直接的には見えないようになっています。
また、駒場キャンパスでは円形の広場が、異なる方向に伸びる道の連節点の役割を果たしています。つまり、円形の広場は道の方向を(90度)変える基点となっているのです。

このような円の使い方はロンドン近郊の高速道路などで見られる、roundabout(環状交差路、ロータリー)と類似しています。roundaboutは写真の通り、円形の道路を中心として、そこから複数の方向に道路が伸びており、まさに駒場キャンパスの円形の広場と同様、複数の方向に向かう道の基点(収束地点)となっています。


駒場キャンパスの正門・広場・1号館


イギリスのroundabout


駒場キャンパスの道の方向の転換点としての広場
(出典:https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400107416.jpg

広場を中心として、東大のキャンパスの一部は碁盤の目のような構造をしています。
このような幾何学的特徴はスイスで生まれ、主にフランスで活躍したル・コルビュジェの都市計画を彷彿とさせます(ヴォワザン計画を見てみてください)。

ル・コルビュジェは度重なる考え方の変遷を経ながらも、最終的には都市を幾何学的(人工的)に計画していくことに精力を注いだ人です。

世界文化遺産にもなった、上野の西洋美術館の設計者でもあります。
みなさんもぜひ東大のキャンパスを散策しながらそのデザインやル・コルビュジェの建築・都市計画について考えてみてはいかがでしょうか。